Fabrication

2019.04.03

生活支援器具(アシスティブデバイス)のデザインと3Dプリントの方法を教える無料講座

Text by Caleb Kraft
Translated by kanai

私たちMakerはよく、肉体的に特別な必要性のある人たちを支援できないものかと考える。そこですぐに思い浮かぶのが、ソーシャルメディアでよく称賛されているロボット義肢のような立派なデバイスだ。それもいいだろう。見ていて楽しい。しかし、大多数の人たちにとって、生活支援器具はもっと身近で日常的なものだ。それでも、ロボット義肢と同じぐらい、人生を変えるだけの力がある。

プルトップを開ける道具やドアノブを簡単に掴める道具など、ごく単純なツールが大勢の人の生活を一変させる。最新の3Dプリント技術があれば、その人が本当に必要としている道具を、オーダーメイドでぴったりに作ることが驚くほど簡単に作れる。少なくとも、作れる可能性がある。PrintLabMakers Making Changeは、この生活支援器具のデザインとプリントのための講座の講師向け学習セットを共同で開発した。デザインのコツだけでなく、支援した人との関わり合い方のコツまで教えてくれる(いちばん大切なコツ? それは彼らの話を傾聴すること)。

5部構成の無料講座では、以下の活動を行う。

・複数のケーススタディー動画を見ながら3Dプリント生活支援器具の初歩を学ぶ。
・CADチュートリアル動画を使い、さまざまなサンプル器具をデザインするスキルを構築する。
・サンプル器具をテストし分析する実践活動。サンプル器具は講座パックに含まれるSTLファイルで講師が事前に用意する。
・利用者が日常的に直面している問題を特定しブレインストーミングする、人間中心のチームアクティビティ。
・利用者の問題に合わせて考案されたデザインからプロトタイプを3Dプリントしテストする。
・製作した器具をクラスで発表し意見を出し合う。
・完成したモデルをMakers Making Changeプラットフォームにアップロードできる。問題を抱える人たちのリクエストを受けることもできる。モデルは学校や地方のMakerによってプリントされることになる。

3Dプリンターを持っている人、または使える環境にある人は、ぜひこれを試して欲しい。世の中を変えることなどできないといつも嘆いている人に、私は自分の経験から言いたい。誰かのための器具を作れば、それがその人の人生を好転させると。誰かの役に立てば、最高の気分になれる。

原文