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2015.08.06

MFT2015レポート ― 子どもたちのための作って・遊んで・学べるプログラミング・電子工作の教材が充実!

Text by Noriko Matsushita

今年はプログラミング教育に注目が集まっており、Maker Faire Tokyoのキッズ/教育エリアには、たくさんの子どもたちが集まった。

都内でScratchプログラミングのワークショップを開催するOtOMOのブースでは、子どもたちによる作品を展示。最近はプログラミングと電子工作にとどまらず、様々なモノのしくみ・構造を作ることで学べる場へと広がっているようだ。

ブースの角には、超音波センサーで回転する巨大なレインボー風車と、割りばしと輪ゴムで三角形を組み上げたタワーがそびえ立っていた。

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ワークショップに参加した子どもが制作したレインボー風車。割りばしタワーは、来場した子どもたちが作った三角形によって積み上げられたもの

OtOMO02 (3)
超音波センサーに手をかざすと風車が回る。Scratchでセンサーからの信号のオン/オフと回転時間をコントロールしている

Champiere(シャンピエール)は、Scratchと各種センサーを組み合わせたゲームや、アーテックブロックによる動くさまざまな動くおもちゃの実例を展示。

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脳波センサーでScratchゲームをコントロールする「Mind2Scratch」。頭に装着して念じるとゲーム画面のネコが動く!

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アーテックブロックによる自動ドア。赤い部分のドア上に取り付けられたセンサーを感知してドアが開くようにScratchでプログラミングしている

ちっちゃいものくらぶは、Scratchでロボットカーを作れるArduino互換キットを開発。はんだ付けとねじ止めだけで完成するので、夏休みの工作にぴったりだ。特に人気だったのが、ロボットカー「なのか~」を発展させた「れごも」。AndroidとBlouetoothで通信し、アプリで向きやLEDの点灯をコントロールできる。

ちっちゃいもの01
レゴとつないでさまざまなロボットに組み上げられる

Scratch以外のプログラミング教材として注目されているのがPCNのこどもパソコン「IchigoJam」だ。IchigoJamは、インテルのEdisonのような小型コンピューターで、プリント基板キットとして1,500円で販売されている。組み立てて、ビデオケーブルでテレビにつなぐだけで、BASICプログラミングで遊べる。BASIC世代のお父さんお母さんにも親しみやすい点も人気の理由。

PCN01
プリント基板キットは1500円。組み立て済みは2000円

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別売のブレッドボード「PanCake」(2000円)を装着すれば、グラフィックゲームも作れる

PCN04
いろいろなゲームがつくれるサンプルコードも1本300円で販売

一方、スポンサーエリアでもソニーのスマートDIYキット「MESH」、紙に電子回路が描ける「AgIC」、磁石で組み立てられる電子工作教材「LittleBits」などIoTや電子回路が学べる製品が充実。プログラミングや電子工作がずいぶん手軽で身近なものになってきている。

MeshMESHは、スイッチサイエンスhttps://www.switch-science.com/より8月1日から発売開始

とはいえ、こうした教材や電子工作キットはまだまだ高価だ。経済的に恵まれた家庭でなければ、手が届かない。そこで、東京大学 先端研では、こうした経済や環境の格差に影響されず、すべての子どもが科学を学べるプログラムの一環として、ダンボールで作れるロボットのキットとカリキュラムを開発している。1日目の夕方には「かみでロボットをつくる」ワークショップが開催された。

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ダンボールの構造についても詳しく説明がある。カリキュラムとして様々な学習要素が組み込まれているのだ

必要な材料は、ダンボールだけ。設計図どおりに切り抜いて組み立てていくと、ロボットの指部分が完成する。

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ダンボールを薄くはがして作ったテープを中に通して引っ張ると、指が動く

ロボットとして動かすには、モーターやセンサー、電源などとつなぐ必要があるが、これだけでもダンボールの構造や、人間工学的な指の動きの仕組みを学習できる。

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ダンボールで作った指をつないだロボットの手。センサーでつないだグローブを装着すると、手の動きに合わせてロボットの指が動く

将来的には、紙で作るロボットの作り方とカリキュラムを全国へ、そして世界中へと無償で配布して、新たな次世代のMakerを育てる活動をしていきたいとのことだ。

─ 松下 典子