2013.03.30
トップ3Dサービス:パート2
パート1では、3Dプリントの2つの重要な鍵となるスライシングとCADのソフトウェアを紹介したが、今週は、実際にマシンを使うためのものと、いまだ発展途上のDIY 3Dスキャンの分野に斬り込もうと思う。前回同様、すべてのサービスは無料(またはほぼ無料)で使える。
3D CAM
CAM = Computer Aided Manufacturing(コンピューター支援製造)、つまり、マシンの動きをコンピューターでどのように正確に制御するかということ。ここで紹介するもののほとんどが、無線プリントに対応しているのがうれしい。やっと一般的になってきた、夢の機能だ。
Printrun
GCodeをマシンに送るためのアプリケーションのセットだ。すべて、Mac、Linux、PC用にパッケージされている。Printrunには複数のスライサーも内蔵されていて、あらゆる3Dプリントのニーズに応えられるスタンドアローンのアプリケーションとして機能してくれる。私もこれを使っている。ほぼすべてがこれで賄える。
RepRap Wiki
シンプルなインターフェイスがとても使いやすい。嫌う理由がひとつもない。
(RepRap Wiki/GitHub)
Repeteir-Host
Printrunと同様に、Repeteir-Hostも複雑なプログラムだ。スライシング(Slic3rとSkeinforgeの2つのオプションがある)からパーツ配置やマシンの制御まで、すべてをカバーしている。Printrunよりもさらに多機能ながら、Mac、Linux、PCに対応している。私はPrintrunが好きだが、見た感じはRepeteirのほうが好きだ。とくにパーツビューワーがいい。
Repeteir-Server
ずっと新しい(そしてさらにエキサイティングな)Pepetierの新製品だ。Repeteir-ServerはRaspberry Piで使うようになっていて、複数のプリンターを制御したり、小さなメモリーに対応したり(プリントがいくら大きくても、プリントごとに 5MBだけを使用)、ジョブを管理するためのシンプルなウェブインターフェイスなど、いくつか気の利いた機能がある。できたばかりなので(バージョン0.24)、MacとPCにはまだ対応していない。
(ホームページ/GitHub)
OctoPrint
OctoPrintは、3Dプリンターをコントロールするための、完全にウェブベースの「ホスト」プログラムだ。プリントを開始するときに、プリンターの近くにいる必要がないので、ライブビデオで監視でき、必要ならば途中で介在できる。指定した間隔でスナップショットを撮影して、自動的に1本のビデオにまとめてくれるタイムラプス機能もある。
Gullickson Laboratories
おそらく、OctoPrintのいちばんいい点は、Raspberry Piとの互換性だろう。マシンにこのクレジットカードサイズのコンピューターを内蔵すれば、どこからでも WiFiを使ってプリントできるようになる。
(G+/GitHub)
BotQueue
Haxlr8rとMakerBotの共同創設者、Zach Hoekenが数カ月前に開発したオープンソースの無線プリンター管理システムだ。今はバージョン2.0がリリースされ、Slic3rを統合し、全体的な改良も加えられた。
Hoektronics
BotQueueのすごいところは、複数のマシンと通信できることだ。ウェブサイトにSTLファイルをアップロードすれば、その場を離れてもソフトウェアがあとのことをやってくれる。必要なのは、各マシンのスライサーの設定をしておくことだけだ。それをしておけば、もうスライサーはいじらないで済む。
(ホームページ/GitHub)
Make-Me
ソーシャルコーディング企業、GitHubは、ハードウェアでクールなことを始めた。Replicator 2をサーバーコンピューターに接続して、WiFiでコマンドを受け取れるようにしたのだ。同社のあらゆることをまかなっているチャットボット、Hubotがプロセスを管理する。家のソファーに座っていながらスライスとプリントができ、ときどきその家庭をチャットボットとの会話で確認できる。いかすね。
今のところソフトウェアはOS X専用だが、完全にオープンソースで、誰でも自分の作業環境に応用できる。動作の詳しい様子などは11月の記事に書いた。
(ホームページ)
3Dビューワーとファイル
優れた3Dビューワーもいくつかあり、その数はどんどん増えている。私はSTLファイルのビューイングとスケールに、何年間もPleasant 3Dというソフトを愛用している。2012年の始めからアップデートされていないにも関わらずだ。シンプルだし、ビューイング、回転、スケーリングなど、私が必要とすることすべてをやってくれるところがいい。私が将来に期待しているのは、3D版のPixlrだ。それがあれば、モデルをダウンロードしたブラウザーですべての編集作業が済んでしまう。
GCode Viewer
Jeremy HerrmanがJoe Walnesのよりシンプルなビューワーをもとに作った、無料のブラウザー型、GCodeビューワーだ。デフォルトでOctocatのツールパスがドローできるようになっているが、独自のGCodeファイルもアップロードできる。ありがとう、Jeremy!
コミュニティがこれを後押しして、すばらしいツールに育ててくれることを私は期待している。パスの色を現在のアクションやツールヘッドの速度を基準に変えられるようになるとありがたい。このプロジェクトに参加したい方は、GitHubのコードを見てほしい。
gCodeVisualizerは、もうひとつの無料のブラウザー型ビューワー。これも要チェックだ。
(ホームページ/GitHub)
Sketchfab
Sketchfabは、3Dモデルのパブリッシュと表示をインタラクティブに行うための無料のウェブサービス。27のネイティブな3D形式をサポートしていて、テクスチャや照明が調整できるブラウザー上のレンダリングツールも備えている。ビューワーはほとんどあらゆるものに埋め込み可能(Favebookも可)で、YouTubeのビデオと同じくらい簡単にできる。モデルをウェブにアップロードするのも、たった2クリックで行える。CADソフト(SketchUpなど)のために用意されているエクスポーターを使えば、ワンクリックでできる。
Sketchfabユーザーによるとくに魅力的なプロジェクトを過去の記事で紹介している(関連モデルはこちら)。
Sketchfab の共同創設者 TrigrouによるVadertie。
(ホームページ/共同創設者 Alban Denoyel のインタビュー)
CGTrader
CGTraderは、デザイナーやエンジニアが3Dモデルを売り買いするための3Dモデル市場だ。非常に多種類のモデルを買うことができ、無料のものもある。あらゆるタイプのモデルの強力なリソースだ。ランボルギーニ・アベンタドールの精細なモデルから、グリズリーベアまでいろいろ揃っている。
(ホームページ)
Makrz
Makrzは、3Dプリンターのメーカー、Printrbotが作った無料のiOSアプリ。3Dプリントやレーザーカット用の数千もの無料のオープンソースモデルがある。私が気に入っている機能はDropBoxとの統合だ。アカウントをリンクさせると、アプリからクラウドにファイルをダウンロードできるようになる。あとはマシンを使ってスライスとプリントをするだけだ。
(iTunes/ブログ記事)
Cubify API
ウェブ開発者で3Dプリントが好きな人なら、このAPIでウェブアプリをCubify.comに接続して、その頑丈なEコマースとプリントサービスを使えるようになる。3DSystemsでは、Cubifyのウェブサービスに接続するためのPHPインターフェイスを提供しているが、UIやホスティングコンポーネントは含まれていない。将来は、別言語のサポートを行う予定だ。
Deelip
AppCreateは、製作用のアプリを作りたいアーティストやモデラーのための強力なオプションだ。コーディングの経験はいらない。アプリが Cubify チームに承認されると、そのアプリで販売されたモデルの売り上げの5パーセントがもらえるようになる。
(ホームページ)
Thingiverse
Thingiverseは元祖(そして私のデフォルトの)無料CADファイルの共有と検索のコミュニティだ。用意されているモデルは膨大にある。私はインスピレーションが欲しいときやプリントしたいものを探すときは、まずここから検索を始める。
Thingiverseで公開されているMaker Faire Robots
MakerBotはこのほどCustomizerアプリをリリースした。これを使えば、他所で簡単に変更ができるパーツが製作できる。先日、最初のCustomizerコンテストの勝者が発表されたが、その結果は驚くべきものだった。
(ホームページ/Customizer)
GrabCAD
Thingiverseと同様、GrabCADも無料CADファイルの倉庫だ。Thingiverseと違うのは、GrabCADには、自動車のシャシーやエンジンや、Appleのデバイスや銃器など、実際に存在するものを3Dモデル化したものが多い点だ。
GrabCADライブラリー
(ホームページ)
3Dスキャン
今はまだ高価で難しい分野だが、ホビイスト向けの3Dスキャンも大量の優れたツールの流入によって簡単になりつつある。Microsoft Kinectのリリースとそれに続くハッキングは、大きな転換点だった。その能力を活かした応用例がたくさん生まれた。しかしここでは、Kinectを持っていなくても使えるサービスを紹介しよう。
Autodesk 123D Catch
123D Catchは、2D画像を上手に使って3Dモデルを作るスキャナーアプリだ。静物の20〜40枚の重なり合った写真を撮影すると、ソフトウェアがそれらをつなぎ合わせてくれる。穴の修復などはウェブアプリで行える。高価なDSLRなどは必要ない。スマホで十分だ。
Polyin3D
3D Systemsは、Cubify Captureという同種のサービスを開始した。まだベータ版だが、期待できそうだ。
(ホームページ/Sample Scans)
Mo3dls
Mo3dlsは、Mobile 3D Laser Scannerの略。ここで紹介する他の3Dスキャナーソフトとは構造が違う。スマホをしっかりと固定して、モーターでゆっくり回転する台に載せたオブジェクトに照射したレーザーの線を撮影する。残念ながら、これはまだ公開されていない。しかし、時間があれば下のビデオをぜひ見てほしい。とてもおもしろい。
私はこれを見て興奮した。それにはワケがある。ここに示されたサンプルスキャン画像がじつに精細だからだ。
(ホームページ/Sample Scan)
Skanect
SkanectはMicrosoft KinectやAsus Xtion Pro LiveやPrimesense Carmineの内部に使われている技術を応用している。スクリーンの前でデバイスを動かすと、Skanectは、いろいろな視点から見た画像をリアルタイムでつなぎ合わせ、オブジェクトや人や部屋の3D画像を作り出す。
このシステムには、3Dプリントできるモデルを数分で作るシンプルなポストプロセスツールも含まれる。無料バージョンでは、モデルをオンライン共有やSculpteoなどのオンライン3Dプリントサービスにアップロードできる。プロバージョンでは、モデリングソフトへの完全なエクスポートができる。
(ホームページ/Sample Scans)
気に入った無料の3Dサービスはあったかな? コメントを聞かせてほしい。
– Eric Weinhoffer
[原文]