Fabrication

2013.01.30

3Dプリント用Maker Faireロボット

Text by kanai

Robot Arms Up

もしあなたがガチガチのMakeファンで、ロボットの小さなフィギュアを3Dプリントしてたい衝動にかられていたとしたら、この3Dプリント用Maker Faireロボットはまさにあなたのためのもの!

Maker Faireロボットのモデリングを開始したのは 2012年の5月だった。もともとはMakey Award用に作ろうとしたのだけど、可動式の腕を作るためのプリント時間がやたらに長く、またそれを本体につなげるためのペグの製作にも手こずってしまった。そこで一旦このプロジェクトを中断。すべてを一体で作ることでプリント時間を短縮して、イベントなどで配れるように仕様を変更して11月に再開した。5回の設計変更と、30個あまりの変な形のロボットをプリントしたあと、ようやく今のバージョンに辿り着いた。いちばん大変だったのは、2Dのロゴから3Dのモデルを起こすことだった。参考にしたのはJonathan MonaghanがデザインしたMakey Awardの2011年版のロゴ。だから、白紙の状態から作ったわけではないのだ。

Robot macro

このロボットをプリントしているとき、これが3Dプリンターの「Hello World」テストに最適のモデルであることに気がついた。このモデルに含まれるテスト項目となる内容は次のとおりだ。

  • 足、胴、腕の、平面、テーパー状の面、彎曲した面。これらが滑らかにプリントされないときは、Z軸のブレが考えられる。Z方向の移動が真っ直ぐでないのだ。軸がずれるか、各層ごとの移動間隔にバラつきがある。リードスクリューの品質が悪いか、中心が狂っている場合が多い。
  • ベルトのテンションが低いと凹凸が現れる。ベルトが緩むと、円が丸く描かれずに平らな部分ができてしまうからだ。ベルトが緩めば、プーリーの回転に引っ張られるまで、その軸は回らなくなる。2つの軸方向に同時に動かず、片方の軸が動かなくなると、その部分は曲線が描かれずに直線になってしまう。
  • 2本の脚が胴体につながる部分にできるブリッジで、スライシングソフトのキャリブレーションの善し悪しがわかる。脚の間のブリッジができるときは、小さな「たるみ」があるはずだ。
  • 
わずかな張り出しの具合で、ファンによってプラスティックがよく冷却されているかどうかがわかる。熱が溜まる場合は「たるみ」ができる。いくつかの島にまたがってプリントする場合は、エクストルーダーからフィラメントを引っ込めて、素早く移動させないと糸引きができてしまう。フィラメントを引っ込める設定とエクストルーダーの性能がよければ、糸引きは防止できる。
  • 
胸と背中のロゴの細部を見ると、スライシングソフトとハードウェアの細かい作業の善し悪しがわかる。

ロボットには3つのバージョンがある。ひとつは腕を上げたもの。ひとつは腕を下げたもの。もうひとつは、腕を下げているが、張り出し部分に切り取り可能なサポート材が入ったものだ。このサポート材は、私が以前から試してきた実験的な技術だ。基本的にサポート材と本体との間に0.1mmのギャップを設けている。きれいに切り離せるように非常に弱くできているが、パーツを正しい位置に支持するだけの働きをする。詳しいことは今後の記事で説明しよう。

STLファイルはこちらからダウンロードできます。ロボット軍団をプリントしてね。

– Eric Chu

原文