2013.02.26
3Dプリントの5つのトレンド
毎回、Maker Faireの準備の過程で、MAKEの編集者たちはその時々のスクープを取ってきてくれる。だから我々は、より広い範囲の取材ができる。私は3Dプリントに関するネタを集めてきたが、Maker Faireで見られることになるであろう流れをまとめてみた。個人的、社会的、政治的な話は別にして、これは今年確実に起きることだ。最先端の情報を簡単にお知らせしよう。
このほかにも流行の話題を知っている人、またはMaker Faireで見てみたいという提案があれば、コメントを書いてほしい。
1. オリジナルモデルを作るためのツールや技術の普及
3Dプリンターが使える人が増えれば、3Dモデリングツールの使い方やモデリング技術の習得も急速に進む。新しくて面白いツールには次のようなものがある。
- OpenSCAD:コンストラクティブ・ソリッドモデリング(CSM)のためのオープンソースのツール。CSMは、一般的なメッシュベースのサーフェイスモデリングよりも3Dプリントに向いているとされている。ポイントにプラスティックが置かれるかどうか、はっきりわかるからだ。結論として、OpenSCADはバックエンドとして活用できるということだ。OmNomNom Creatorや Makerbot Customizerのように、この上にいろいろなツールが作られていくだろう。
- Makerbot Customizer:Tony Buserが開発したCustomizerは、コンシューマー向け3Dモデリングへのじつに面白い1ステップとなっている。エンドユーザーにもモデル作家にも簡単に使えるパラメトリックなフロントエンドだ。http://www.thingiverse.com/apps/customizer/
- ModelBuilder:Marius Watzが開発した、アルゴリズムで3Dモデルを生成するためのProcessingのアドオンだ。大好きな数学の神秘を一片の宝石に変えてくれる。
- MeshMixer: 非常にシンプルな3Dモデリングとタッチアップのツール。
Sean Ragan の OpenSCAD チュートリアル (Make Projects)
2. 3Dプリントサービスやプリンターを売る店が増える。
店頭で3Dプリントを扱う店は、おそらく、かなりひさしぶりに現れた新しい形の小売り業だろう。この春、Staplesがヨーロッパで3Dプリンターの販売を開始する(アメリカは?)。
- Deezemaker:Bukobotの開発者、Diego Porquerasのショップ。ハッカースペースも兼ねている。
- The Makerbot Retail Storeが、まさにソーホーから数ブロックのところに今年開店した。
- パリでは、Protoshopに3Dプリントショップがオープンした。
- ニューヨークの3DEAは、どちらかと言えばギャラリーのような仮設のポップアップショップだが、店は店だ。
3. 実際に役に立つ安価なスキャンと3D入力用のデバイス
紙やデジタルオブジェクトをコピーするように、現実の物を安くコピーできる方法はまだない。現在、3Dスキャナーの面白い利用法は、世界をサンプリングして、それを元に新しいオブジェクトを作るというものだ。たとえば、貝殻をスキャンして、ちょっと調整して、拡大して円形競技場の屋根にする、みたいな。
- 123D Catchは、とても難しい分野にありながら、とてもよくできたアプリケーションだ。Trimensionalなどの他のアプリに置き換わってスタンダードになったようだ。
- WindowsではKinect + ReconstructMeが使える。
- Leap Motionも3D入力デバイスの分野でひとつのプレイヤーになると私は思っている。
Anna Kazuinas Franceのハロウィンのお菓子は、頭蓋骨を3Dスキャンして作った。
4. もっといいプリンターやプリントが現れる。
これはMaker Faire NYのテーマでもあった。今後もずっと続いていくだろう。大勢の人が、もっといいプリンターやプリントを生み出すようになる。
- Deltabots:Maker Faire NYではRostockが唯一のDeltabotだった。次は、DeltaMakerのようなものがたくさん出てくることを期待している。
- ベアリング、カプラー、プーリーなどを販売する新しいカテゴリーをAdafruitが始めた。いつかAdafruit 3Dプリンターも現れるのだろうか。そうでなくても、これがきっかけになって、より多くの人が新しいマシンやメカニズムを作るようになるだろう。
- よりよいエレクトロニクス:RepRap関連で数多くの工夫がなされ、システムはどんどん洗練されている。業務用のファームウエアの細かい部分(加速度プロファイルなど)がホビーの世界にももたらされるようになった。たとえば、
SynthetosのTinyGモーター制御システム は、3Dプリンターをサイロンのように動かしてくれる。
5. 新しい素材が使える安価なプリンター
PLAやABS(それにForm 1で使われているフォトポリマーレジン)のほかに、もっといろいろな種類の素材が使えるホビー向けプリンターが登場する。
- ポリカーボネート
- ナイロン
- LAYWOO-D3木製フィラメント
- 耐衝撃性ポリスチレン
- よりよいサポート素材
- 生物素材(皮膚、骨など)
- Carbomorph導電性レジン
そして、Filabot Personal Filament Makerのように、不老不死を約束してくれるシステムもある。
以上のことを頭に入れて、Maker Faire Bay Areaでは何が見たいかな?
– Shawn Wallace
[原文]