2017.02.17
Kickstarterを開始する(2):プロトタイプの仕上げ
英語版編集者から:どのようにKickstarterが進められるのかを細かく紹介することに意味があると思い、Natashaの同意のもとに、彼女のキャンペーンを6つのパートに分けて紹介することにしました。
私はNatasha。www.TechnoChic.netのTechnoChic DIYテック・クラフト・キットの開発者だ。あと4週間で(3月7日だ!)、私は新しい光る蝶ネクタイのキットのKickstarterキャンペーンをローンチする。その詳細についてすべてお話したいと思っている。先週はユーザーテストの準備についてお話ししたが、今回は、これまでのデザインのプロセスと製品化に向けたゴールについて説明したい。今週はローンチに向けた準備の2週目だ。先週の記事はこちらを見てほしい。
プロトタイプの仕上げ
今週は本当に楽しかった。何より私はデザイナーだ。しかし、自分でビジネスを興したからには、デザイナーの時間が減って、その分、計画、帳簿、販売、出荷に時間が費やされる。今週は、腰を据えて私の本来の仕事ができた。
ユーザーテスト
光る紙の蝶ネクタイ・キットは、長い時間をかけて準備してきた。もともとは、Maker Faireで簡単にできる楽しい工作として考えたものだ(DIY light-up paper flowersもその1つ)。その後も、ワークショップなどで使ってきた。私の蝶ネクタイを作ってくれるMakerたちと話をするとき、必ず私は改良のポイントを探すようにしている。たとえば、最初のバージョンはLEDを通す穴が小さかった。大勢のグループを対象にワークショップを行ったときに、穴が小さくて見えない人もいたのだ。そこで穴の大きさを改良して、誰にでも作りやすいようにした。この改良は、「ユーザー中心設計」の原則に従っている。製品開発においては、とても重要なことだ。
今、デザインを仕上げるにあたって、すべてのユーザーテストの経験を活かして、マーケティング、製品化、製造、コストについて考えたいと思う。私が重点を置くのは以下の項目だ。
・簡単に作れるか?
・子どもにも大人にも適切はサイズか?
・魅力的か、シェア可能か?
・耐久性は十分か?
・簡単に製造できるか?
・予算内で製造できるか?
・既存のパッケージに収まるか?
デザインプロセス
今週のプロセスをお見せしよう。
いくつかサイズの異なるものをテストした。3匹のクマさん方式だ。最初のものは小さすぎた。2つ目は大きすぎた。3つ目がちょーーーどよかった。
模様のデザインは、フエルトペンで始める。私はいつも、コンピューターで行う前に、まず紙とペンでデザインするのだ。必要のない工程だというのはわかっているけれど、Adobe Illustratorに行く前に、実際のペンと紙を使うと、心が落ち着いてデザインに集中できるのだ。コンピューターでは可能性が多すぎて圧倒されてしまう。
Illustratorで行った最初のデザイン。どれほどの光沢を持たせるべきかがわかってきた。
さらに、異なる色とサイズで模様をテスト。
模様に集中した研究。どれがいいか、選んでいただけるだろうか? この記事の最後のリンクで投票してほしい。
製造の準備
今週は、私のデザイン作業は、新しい方向に向かうことになった。個人的な「プロジェクト」の段階から、プロとしての「製造」のための準備段階に入ったのだ。製造工程では、紙を蝶ネクタイの形に切り抜くための金型と、その紙に左右対称の模様を押しつけるための金型が必要になる。どちらの金型も、デザインの複雑さに関する制限があり、それによってコストに差が生じる。なので、最終的にプロトタイプを仕上げる段階では、製造の可能性を考慮しなければならない。以前にも金型は作らせたことがあるので、どれくらい費用がかかるのかはわかっている。来週は、すべてが可能かどうか、業者との間で数字の交渉となる。
キャンペーンに成功する前に製造のことを考える必要があるのかと、お考えの方もいるだろう。いい質問だ。これは、今やっておく必要のある作業なのだ。ほとんどのクリエイターも同じだと思うが、Kickstarterはバッカーに約束するものだ。自分のアイデアを信じてもらい、約束を実行する能力を信じてもらい、大きな援助を要求するものだ。すべての製造工程をしっかり立てておかなければ、約束を実現できるかどうかわからない。みんなはリスクを背負って私に期待してくれているので、私もできる限り約束を守るための準備を整えておかなければならないのだ。私が自分で宣言した製品を製造するための資金を確保することも含めてだ。
Kickstarterのバッカーは、キャンペーンに出資することをリスクだと考えているはずだ。私の前回のキャンペーンでは、印刷会社と金型会社とにすべてを準備してもらっていた。何度もデザインをやりとりして、予算を決めていた。それぞれの業者の能力やタイムラインを確認しておいた。その結果、最終的な予算が、予定していた見積よりも多く、設定していた時間内には作れないことがわかった。だが幸いなことに、土壇場になって、それが可能な印刷会社と金型会社が現れた(しかもうちの近所で)。もしその業者と知り合えなかったら、バッカーを失望させるところだった。問題は、何が起きるかわからないということ。だから、きちんと計画を立てて、予想とは違う道を進んでいるとしても、締切に間に合わせるように準備しなければならないのだ。
宣伝の準備とデザインの最終テスト
Kickstarterで新製品をローンチするときには、必ず、どうしようもないジレンマに陥る。プロトタイプは製品版よりも見劣りがする。しかし、製品版を作るには、多くのバッカーを惹きつける見栄えのいい写真が必要だ。「ニワトリが先かタマゴが先か」みたいな話だ。これに対処するに、私はPhotoshopで写真をいじくるのを止めることにした。その代わりに、蝶ネクタイを作る楽しさと、それを身につける楽しさを強調することにした(Kickstarterでも、加工した画像ではなく実際のプロトタイプの写真を見せるように奨励している)。画像と文章はシェアできるようにすることも考慮した。目標は、バッカーやファンのみなさんにキャンペーンのことをシェアしてもらうことだ。
蝶ネクタイは、動画ではとても見栄えがよくうれしく思っている。下の動画は私が携帯で簡単に録ったものだ。どうだろう?
先週、私はみなさんに最終デザインのテスターになってほしいとお願いした。登録してくださったみなさんにお礼を申し上げたい。200名を超える応募があったのだ。うれしくてたまらない。そこから、地域や年代の異なるテスター20名を選びたいと思っている。そのみなさんには、なるべく早く連絡するようにしたい。みなさんの意見が、この製品の最後のフィードバックとなる。楽しい写真もぜひ見せてほしい。この他に参加をご希望の方は、私のデザインに対するご意見をいただきたい。
私の蝶ネクタイのデザインについて、みなさんの感想をシェアして私を助けてほしい。みなさんのご意見が最終デザインに活かされる。みなさんのご支援に、感謝が尽きない。
個人的な話
この記事は、Kickstarterのリアリティー番組みたいなものなので、キャンペーンの感想や、どのように進行するかもお伝えしたいと考えた。
今週の時点では、まだキャンペーンは予定通りにローンチできるという感触を持っている。しかし、作業を急がなければならないという焦りや、計画のもろさも感じ始めている。ひとつ間違えれば台無しになる。先週は体調が悪かったが、なんとかそのロスを取り戻すことに成功した。睡眠時間は標準程度とれている。テイクアウトはまだ0回だ。来週をお楽しみに。
キャンペーンの更新をメールでお知らせします。こちらで登録してください。
[原文]