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2013.09.24

エアーホッケーをプレイするロボット

Text by kanai

並木研究室の技術者たちは、高速ロボットアームと動作検知と膨大なプログラムを組み合わせて、上手にエアーホッケーをプレイするロボットを作り上げた。

優れた技術と頭脳をこんな下らないことに使うなど無駄なことだと言う人がいる。もっと人道的な目的に利用すべきだとね。

ロボット工学に関しては、いろいろな考え方がある。未来学者のレイ・カーツワイルは、コンピューターまたはロボットが人間と同じぐらいうまくできるようになった仕事は、特異点に近づくひとつのステップになると信じている。特異点とは、簡単に言うとこういうことだ。技術は指数関数的に発展し、その曲線は非常に急角度になり、実質的に無限になる。そのときさまざまな現象が起きる。悲観論者は、これをロボットによる世界の終わり、あるいはグレイグー現象を引き起こすと心配している。しかし、カーツワイルは、これにより技術と人間の融合が進み、どちらも区別が付かないようになると考えている。そうなれば、脳をコンピューターにアップロードして、人は永遠に生きられるようになる。

Kurzweil-AI-cartoon

この漫画はカーツワイルの2005年の著書 The Singularity is Near(邦訳:『ポスト・ヒューマン誕生―コンピュータが人類の知性を超えるとき』日本放送出版協会)に掲載されていたものだ。壁に貼られた紙のひとつに、「only humans can drive cars」(人間だけが自動車を運転できる)とある。この本が出版された後、Googleは無人自動車を開発した。特異点へ一段階近づいたことになる。私は以前、robot that can play Badminton(バドミントンをプレイするロボット)という記事を書いたが、今度はエアーホッケーをリストから消す番だ。

– Michael Colombo

訳者から:千葉大学大学院工学研究科機械系コース並木研究室のプロジェクトです。

原文