Crafts

2015.03.06

ウェアラブルな作品の製作に欠かせない12のツール

Text by Kate Hartman and Boris Kourtoukov
Translated by kanai

Monarch_4

Social Body Labでは、ウェアラブル・エレクトロニクス・プロジェクトのプロトタイピングに便利なツールをつねに探しています。ここに、2014年に私たちが見つけたお気に入りのツールを紹介しましょう。

LilyTiny + LED ストリング
動的な光るパターンを作りたいが、プログラミングは難しくてできないという人に最適な近道が、SparkfunのLilyTiny ボードです。点滅、パルス、滑らかな鼓動など、4つのコントロールパターンがあらかじめプログラムされています。LED ストリングは、ウェアラブルなクリスマス電飾といった感じです。100個の表面実装 LED が始めから配線されています。これを LilyTiny と組み合わせれば、びっくりするような効果が見られます。なんといっても素晴らしいのは、全体が CR2023 ひとつで動くことです。

Sparkfun LilyTiny
Sparkfun LilyTiny

Arduino Micros + Perma-Proto Boards
私たちはeテキスタイル・ムーブメントを強力に推進する立場ですが、今でもまだ、絶縁や回路の配線が必要になるウェアラブル・プロジェクトがあります。そこで私たちが見つけたのは、Arduino MicroAdafruit Perma-Protoハーフサイズブレッドボードプリント基板の組み合わせです。比較的小さなスペースにたくさんの穴が開けられてあります。メスヘッダーがソケットになるので、Arduinoを取り外せるようにもできます。Arduinoを直接ハンダ付けすることもできるので、ISPヘッダーを取り除いて全体を薄くすることが可能です。

Adafruit Perma-Proto Half-sized Breadboard PCB
Adafruit Perma-Protoハーフサイズ・ブレッドボード・プリント基板

PTSMコネクター+スピーカー用ケーブル
私たちのお気に入りのコネクターがあります。これはNudgeablesプロジェクトを行っていたときにAesthetec Studiosから勧められました。標準の2.45ミリピッチのPTHバージョンなので、標準のプロトボードに使用できます。オス側はスプリング式になっていて、ケーブルが取り外せるので再利用ができます。しかし接続はとてもしっかりしています。遠くへ複数の配線を伸ばしたいとき、私たちは22ゲージのスピーカー用ケーブルを使っています。とても便利で、見栄えも抜群です。

Phoenix Contact Mini PCB Connectors
Phoenix Contact Mini PCBコネクター

Muscle Sensor Kit
私たちは、ウェアラブルがもっと私たちの体に近づくようにできないかと模索しています。そのひとつとして開発したものが、自分の体の動きに反応して動くウェアラブルです。このところ、私たちがよく使うのはMuscle Sensor V3 Kitというセンサーです。筋電図(EMG)から筋肉の動きを検知します。これを使うと、体の動きに合わせて動いたり光ったり鳴ったりするものが作れます。私たちは、Monarchプロジェクトの中で、これを利用して動的テキスタイルを作りました。

Sparkfun Muscle Sensor v3 Kit
Sparkfun Muscle Sensor v3 Kit

小型サーボ
サーボはものを動かすときに大変に便利ですが、初心者用のキットに入っているものは大きすぎてウェアラブルには向きません。私たちは今、超小型のサーボを試しています。なかでもお気に入りは、Futaba S3114です。こんなに小さなサーボは見たことありません。私たちのデラックスなプロトタイプには、Futaba S3150が使われています。価格はかなり高くなりますが、とてもスリムで、歯車は金属製なので、過酷な使い方にも正確に対応します。

Futaba S3144 Servo
Futaba S3144 Servo

小型振動モーター
ウェアラブルは、それを着ている人とだけコミュニケーションを取りたい場合があります。それには、小型振動モーターが役に立ちます。その薄いパンケーキ型のフォームファクターは、ちょっとした隙間などに隠すことができ、着ている人に「ブルブル」とメッセージを送ることができます。

Adafruit Vibrating Mini Motor Disc
Adafruit Vibrating Mini Motor Disc

LiPoバッテリー + 充電器
ウェアラブル技術を開発するときは、初期のプロトタイプの段階から、壁のコンセントからの電源に頼ってはいけません。私たちのお気に入りのモバイル電源は、リチウムポリマー(LiPo)バッテリーです。LiPoにはさまざまな容量が揃っていて、充電も簡単です。デザインが固まったら、どれだけの電気が必要かをざっと調べます。そして、小さな電源容量で済むとわかれば、小さなバッテリーを使います。LiPoバッテリーは 専用の充電器で充電できます。または、LilyPad Arduino USBやArduino FIOなど、オンボードの充電回路を使うこともできます。

Adafruit Standalone USB LiIon/LiPoly Charger
Adafruit Standalone USB LiIon/LiPoly充電器

LightBlue Bean
ワイヤレスのウェアラブルで最近お気に入りになったのは、Beanです。Arduinoの標準の機能、加速度センサー、Bluetooth Low Energy(BLE)を組み合わせたものです。すべてが、コイン電池ひとつで長時間駆動します。これは大変によく考えられてデザインされたボードです。Arduinoのピンは、プロトボードのようなグリッドに配列されています。さらに、Beanにプログラムするときには、ケーブルをつなぐ必要がありません。Punch Throughは、近くにあるすべてのBeanを検出して、操作したりプログラムをアップロードするアプリを開発しました。モバイルデバイスからもiOSアプリでプログラムができ、ボードのほとんどの機能にアクセスできます。遠隔デバッギングには大変に便利です。

Punch Through LightBlue Bean
Punch Through LightBlue Bean

Spoonflower
エレクトロニクスだけでなく、私たちはテキスタイルもカスタマイズします。Spoonflowerは、カスタムプリントの生地を作ってくれるオンラインサービスです。パフォーマンスニットからシルクのようなファイユまで、いろいろな素材が選べます。自分で描いた柄や、アルゴリズムで計算した柄が生地になるのはとても嬉しいものです。5ドルで見本が買えます。最小オーダーの制限がないので、プロトタイプにも最適です。

Spoonflower Custom-Designed Textiles
Spoonflower カスタムデザイン・テキスタイル

Silhouette Cameo
この電子裁断ツールは、レーザーカッターを買う予算(または換気装置)のない人にはうってつけのツールです。ステンシル、ビニール、導電性生地などの裁断ができるだけでなく、フレキシブルな回路の配線を切り出すこともできます。デザインをVXF形式のファイルで書き出して、無料のSilhouette Studioソフトウェアに読み込ませれば、それだけでカットできます。

Silhouette Cameo Cutting Tool
Silhouette Cameo Cutting Tool

原文