Fabrication

2015.05.01

ソフトなインタラクティブおもちゃも作れるディズニーの新3Dプリント技術

Text by kanai

ディズニーでは、本当に面白い製造技術を研究している。最新のもので興味をひくのは、3Dプリントと布を組み合わせた方式だ。

この方式を端的に言い表すなら、レーザーカットした布の層を組み立てる自動システムとなろうか。彼らのマシンは、通常の3Dプリンターというより、小さな組み立てラインに見える。

まず、バキュームプラットフォームに布を裏側にして吸い付けて固定する。レーザーカットは下から布の裏側をカットするが、すべて真空圧によってプラットフォームに吸い付いたままだ。

そして、レーザー部分が移動し、下からビルドプラットフォームがせり上がってきて、カットした布を受け取る。

次に、ビルドプラットフォームの上の、または布のレイヤーの上のキーポイントを接着するためのプラスティックが置かれていく。

これを繰り返しすと、目的の立体物とそれを包むサポート材からなる直方体ができあがる。あとは、手で周囲の布(サポート材)を取り去れば、「プリント」が現れる。

Examples of "prints" from their machine.
このマシンでプリントしたものの例。(a)布製のスタンフォードうさぎ(b)2種類の素材で作った日本のてるてる坊主 (c) タッチセンサー (d) 導電性布のコイルを内蔵して電波の受信状態を高めた携帯ケース

このマシンは2種類の素材が扱えるため、中に導電性素材を埋め込むこともできる。彼らの資料によると、コイル、LED、タッチセサーをソフトオブジェクトの中に埋め込むことができたという。これで、柔らかくてインタラクティブなおもちゃが作れるわけだ。布をカットする際に、たとえば平行な切れ目を入れておけば、方向によって曲がり方の異なる布も作れる。

これらの実験がひとつに結集したら、面白いものができるだろう。このまま研究を続けて、この技術を世に出してほしい。みんなで遊べるようにね。

原文