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2015.10.26

MakerCon Tokyo 2015 —「メーカーがつくるメイカースペースとメイカーコミュニティのいい関係」

Text by tamura

Maker Faire Tokyoでは、ユニークな発想と高い技術力(と親しみやすさ)で参加者を楽しませてきた「品モノラボ」。その背景には、ソニーの2つの新しい取り組みがありました。本セッションでは、企業(メーカー)と個人の作り手(メイカー)のコラボレーションを探ります。

なお、Sony-Creative Loungeに関しては、以下の2本の記事にて詳しく紹介しています。
“放課後” の研究開発を促進する企業内メイカースペース「SAP Creative Lounge」─ソニー株式会社 田中章愛さんインタビュー(前編)
Makerとして社外活動で学んだことをソニーで活かしたい─ソニー株式会社 田中章愛さんインタビュー(後編)
品モノラボの活動はウェブページをご参照ください。

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Sony-Creative Lounge

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Maker Faire Tokyo 2014にて行われた「Maker × メーカー 2014」において「品モノラボ」が紹介された際の様子

セッション内容
これからのものづくりにおいて新しい挑戦をしていくには、メーカーとメイカー、両方の顔を持つ人々が混ざり合っていっしょにつくりながら進めていくことが重要です。このセッションでは、ソニーの新規事業創出プログラム「Sony Seed Acceleration Program」およびそのオープンな活動の拠点としてのデジタル工作機械を備えたオープンな工房「Sony-Creative Lounge」から生まれた、あるいは生まれつつある製品やサービス、活動などを通じて、その可能性や課題について議論します。

そして、Sony-Creative Loungeを利用しながら多様なスキルや視点・経験を持つ人々が有機的に集まる品川のものづくりコミュニティ、「品モノラボ」に参加する人々の活動を通じて、メイカームーブメントが当たり前になった時代におけるコラボレーションのありかたを探求します。

スピーカープロフィール
田中 章愛(ソニー株式会社 新規事業創出部 IE企画推進チーム エンジニア)
2006年筑波大学大学院修了、同年よりソニー(株)入社。2013年-2014年スタンフォード大学訪問研究員。機械・メカトロニクスエンジニアとして協働型ロボットやエンターテイメントロボットの研究開発や留学での研究活動を経て、2014年より新規事業創出プログラムSony Seed Acceleration Programの立ち上げ・運営に携わり、共創スペースCreative Loungeの企画運営やハードウェア製品のプロトタイピング・商品化・事業化に従事する。放課後には個人でのものづくりとして友人と始めたデザインユニットVITROで作品発表や世界最小級Arduino互換機8pinoの製品化、品川のモノづくりコミュニティ品モノラボの運営を通じ共創型モノづくりを追及している。8pinoにてGood Design Award 2014 Best 100受賞。

岡田 貴裕(ユカイ工学株式会社 エンジニア / 品モノラボ運営メンバー)
2008年大阪大学大学院修了、2014年まで大手メーカーでスマートフォン設計に携わる。2014年よりユカイ工学株式会社にてコミュニケーションロボットBOCCO、Pepperのマホウノツエ、スマートロック等のハードウェア・ソフトウェア開発及び製造を行っている。品モノラボでは運営メンバーのひとりとしてメイカーが繋がるお手伝いをしつつ、新感覚カードゲーム「プロジェクションカード」の開発・販売を推進している。

参考資料(過去のイベントから)
Maker × メーカー 2014
登壇者:小林 茂(モデレータ、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授)、田中 章愛(VITRO/品モノラボ)、萩原 丈博(ソニー株式会社 MESH project) 村松 一治(ローランド ディー. ジー. 株式会社 3D 事業部)、Dale Dougherty(Maker Media, Inc. Founder and Executive Chairman)
日本でも、Makerと企業の関係が大きく変わろうとしています。「個人のMakerとしての経験を本業に活かす」「企業内に“Makerスペース”を作って部門を超えた製品開発を行う」「“Makerフレンドリー”な製品の開発を行う」など、その動きもさまざまです。このセッションでは、この分野の最前線で活動をされている方々のプロジェクトを紹介していただいた上で、可能性や問題点のディスカッションを行います。

「Maker×メーカー」(Maker Confercence Tokyo 2013)
登壇者:海内 美和(海内工業株式会社)/原 雄司(株式会社ケイズデザインラボ)/久保田 晃弘(多摩美術大学教授、ARTSAT、FabLab Shibuya)/小林 茂(モデレータ、情報科学芸術大学院大学[IAMAS]准教授、f.Laboプロデューサー)
人々の価値観の多様化や製造のグローバル化によって、高品質、高性能を追求して成功してきた日本の製造業のあり方は大きな変革を求められています。このセッションでは、日本でのMakerムーブメントに関わってきた企業の方々と一緒に、「メーカー」と呼ばれる企業が「Maker」と呼ばれる人々と一緒に生み出す、新しい生態系の可能性についてディスカッションします。

「Makerのためのスペースとコミュニティ ー 作る、維持する」(Maker Confercence Tokyo 2013)
登壇者:渡辺 ゆうか(FabLabKamakura,LLC)/岩岡 孝太郎(FabCafe Fab Director/Producer)/高尾 俊介(モデレータ、オライリー・ジャパン)
現在、全国各地にFabLabやハッカースペースといった、個人によるものづくりのためのスペースと、そういった場所に集う人たちのコミュニティが生まれています。このセッションでは、各地の場所やコミュニティの運営に関わる方々と共に、ディスカッションを行います。場所の作り方や、運営について注意すべきことなど、様々な事柄について話し合いながら、よりよい場所づくりとコミュニティを運営するための方法を検討していきます。

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MakerCon Tokyo 2015」では、「”Open Innovation” by Makers」をテーマに「メーカーがつくるメイカースペースとメイカーコミュニティのいい関係」「オープンソースハードウェアの可能性と課題—知的財産権と製造物責任から考える」「半導体メーカーとメイカーの新しい生態系」といった多彩なセッションが行われます。チケットはPeatixにて販売中です。みなさまのご来場をお待ちしています!