Electronics

2016.07.20

ホットグルーの11の応用、裏技、改造方法

Text by Gareth Branwyn
Translated by kanai

hotGlue_10

ホットグルーガンは、誰の工具箱にもひとつは入っている必須のツールだと思う。しかし、往々にしてその使い道を限定してしまいがちだ。そう、その名前が示すとおり、グルーガンは「グルー」(接着)のための道具なのだが、もっとずっと多才なのだ。これを溶けたプラスティックを押し出す道具と考えると、いろいろな応用法が見えてくるだろう。型取り、キャスティング、密閉、固定、プロトタイピングなどなどだ。

そこで、YouTubeのチャンネルから、ホットグルーガンのユニークな11の使い方を紹介しよう。登場するのは、Jeremy BrounのWoodomainDarbin OrvarFlite Test、そして、「Make:」の過去の記事だ。

このほかに、ユニークなホットグルーの使い方を知っている方がいたら、ぜひ教えてほしい。

硬化材として使う

hotGlue_1

たとえば、長期間の接着が可能な木工用接着剤と即座にくっつくホットグルーのいいとこ取りをしたいときがあるだろう。WoodomainのJeremy Brounは、接着したい面の周囲に接着剤を塗り、中央の乾燥している部分にホットグルーを塗って接着するという方法を紹介している。こうすると、部品は即座にくっ付いて固定される。その状態で木工用接着剤がゆっくりと硬化する。すぐに使えるようになって、それでも長期間の接着も可能になる。

即席の型

hotGluue_3

In Jeremyのホットグルーのビデオだ。彼は、ホットグルーを即席のキャスト用型に使えることを教えてくれた。ホットグルーをたっぷりと垂らし、硬化する前に型の元になるものを押し付ける。反対に、ホットグルーを型に流し込むこともできる。たとえば、シリコン製の製氷皿がホットグルーのキャスティングと相性がいい。上でリンクを紹介しているDarbin Orvarのビデオでは、Linnはシリコンの製氷皿でスタンドオフを作っている。作業中に木材を作業台から浮かせておくためのものだ。

ホットグルーでプロトタイプ

hotGlue_4

Jeremy Brounは、素早くプロトタイプを作るのにホットグルーが適していることを教えてくれた。テスト用のパーツをホットグルーで接着すれば、すべてがうまく組み合わさって、予定どおりに機能するかを確認できる。それだけの強度は得られながらも、簡単に剥がせるのもよい。そうして部品を改良して最終的な組み立てにつなげることができる。

即席クランプ

hotGlue_5

カービングやペイントやルーティングなどを行う場合、木材を固定しておきたいが、その表面に何もない状態にしておきたい。しかし、そんな都合のいいクランプがない。そんなときは、作業台にホットグルーを垂らし、少し待ってから木材をそこに押しつけるといい。作業が終わったら、何か工具を使って作業台から引きはがす。[Woodomainより]

密閉する

hotGluue_2

Darbin OrvarのLinnは、空気や水を通さない強力な密閉状態を作りたいときにホットグルーを使っている。

LEDテープを固定する

hotGlue_6

LEDリボンがかなり安く手ごろになってきた。これを素材の上に固定するとき、Darbin OrvarのLinnはホットグルーを推奨している。

次のスティックを継ぎ足す

hotGlue_9

これは、模型飛行機チャンネルのFlite Testから「Make:」に寄せられたアイデアだ。ほとんどのホットグルーガンは同じ構造だが、新しいスティックを継ぎ足したとき、送り機構にまだ新しいスティックが噛み込まれていない場合、作業中にガンの角度を変えると、スティックがぽろりと落ちてしまうことがある。それを防ぐには、新しいスティックの先端にちょっとホットグルーを付けて、今はいっているスティックの後ろにくっつけてしまうのだ。

防水として

hotGlue_12

基板、LEDリボン、プロジェクトボックスなど、何かを簡単に防水したいときは、ホットグルーが役に立つ。完全に包み込むことが大切だ。[Darbin Orvarより]

電子回路の絶縁

hotGlue_11

Wireheadsは、ずっと前からこの方法を使っていた。ホットグルーで、リード線をヘッダーに固定したり、プリント基板の線や部品を絶縁したり、プラスティックの中に電子回路を入れ込んだりできる。もし、取り外したいときは、ホットグルーの塊の縁に無水アルコールを少量垂らすといい。[Flite Testより]

ホットグルーガンをピストル型の充填機に変える

hotGlue_8

これは、ずっと前に「Make:」で紹介した記事だ。ブラジルのサイトで、ポルトガル語で書かれているのだけど、写真を見れば想像がつく(さもなくば自動翻訳を使ってほしい)。いらなくなったホットグルーガンと注射器を組み合わせて、加熱部分を取り除き、ハンダペーストを押し出す道具に改造している。このまま、普通の接着剤を押し出す道具としても使えるはずだ。

フォームコアの縁をシールする

hotGlue_10-1

プロトタイプやクラフトや模型を作っているとき、フォームコアの縁をシールしたくなったら、ホットグルーで簡単にできる。Flite Testが教えてくれたように、まず、余ったフォームコアでフォームコアの厚みと同じ幅の切れ込みを入れた道具を作る。そして、フォームコアの縁にホットグルーを塗り、固まる前にその道具できれいにならし、余分なホットグルーを取り除くのだ。これで完璧なシールになる。

原文