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2016.08.19

体の不自由な人のために何かを作ろうと思った理由

Text by Brian Goral
Translated by kanai

22インチの液晶ディスプレイに接続された基本的な機能のデジタルカメラを3000ドルで買う? 自分の位置を知らせてくれるGPSユニットを800ドルで買う?

残念なことに、こうした時代遅れの機材を高い値段で買わざるをえない人たちが世間から見過ごされている。体の不自由な人たちだ。

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市販の技術は、この数年大きく伸びているのに対して、支援技術(assistive tech)は、イノベーションの面でも競争の面でも横ばいだ。この2つの曲線の違いは、機会にある。Makerコミュニティは、この市場にアクセスして変革させられる位置にある。そして、大手企業がそちらに目を向けるずっと前から、良い意味で大きなインパクトを多くの人々に与えてきた。

Furenexoを運営する私たちも、今こそそこに力を入れて、先日、ローンチしたKickstarterキャンペーン(編注:聴覚障害者のための支援デバイス)のように、簡単に手に入る支援デバイスをオープンソースのソフトとハードで作るべきだ。これは、Makerの力を引き出して、世界のためによいものを作り、ものをよくする「可能にする人」となる機会だと私たちは見ている。

なぜ支援デバイスを作るのか?

– なぜなら、Arduino、3Dプリンターなどの発達で、ほんの数年前までは夢のまた夢だった、もの、顔、声の認識技術が手の届くものになったから。
– なぜなら、体の不自由な人たちの困難が長い間忘れられていたため、どのような進歩でも大きなインパクトを与える可能性があるから。
– なぜなら、クリーニング屋へ行くためにUberはいらないし、バーニングマンにもうひとつのディスコライトなんて必要ないから。
– なぜなら、体の不自由な人と関わることで、自分の得意範囲を超えたチャレンジになるから。
– なぜなら、およそ4,900万人のアメリカ人(うち380万人が傷痍軍人)がなんらかの肉体的、または感覚的な障害を抱えているから。体の不自由な人たちの困難を少しでも減らすことでも、経済的なインパクトは大きく、大きな意味があるから。
– なぜなら、誰かの役に立つものを作れば、笑顔やお礼の気持ちを受け取ることができて毎日が明るく楽しくなるから。

どうやって始めたか

1) 「デザイナーマインド」を広げる

多くの人は、すでに「形は機能に従う」という気持ちをもってメイキングしているはずだ。作るものやプロジェクトは、それを使う人に合わせて作る。そのデバイスは、他の人にも使えるかどうかを考えてみよう。とくに車椅子を使用している人とか、手の使えない人とか、目が見えない人だったらどうだろう。もっとも簡単な方法は、友だちや恋人を思い浮かべてみることだ。「Nanaならこれをどう使うだろうか」と。「隣のJohnは私の作ったものをどう使うだろうか?」とね。

2) 勝手に思い込まずに聞く、そして関わる

世の中には一般的なルールが存在するが、それが体の不自由な人たちのコミュニティと関わって何かを作るには、厳格なものに変わる。隣人や友だちに何かを作るときは、作る前、作っている間、作った後に意見を聞くことが大切だ。体が不自由な人は、その肉体的問題と毎日戦っている。その問題を露わにして、デザイン設計に取り込まなければならない。ここで重要なのは、一部には、障害のあることを表に出したがらない人がいるということだ。それはとくに、自力で自立した生活を保とうと努力している人に多い。本当の信頼関係が築けるようになるまで、相手にしてもらえないかもしれない。

3) スキルセットに加える

CourseraとThingiverseは大変に有名だ。しかし、人々の肉体的問題の解決を目的とした furenexo.comのような新しいプラットフォームが現れている。アイデアとオープンソースの解決法を重んじるため、多くの人の意見と協力を必要としている。

4) 支援デバイスの開発を毎日の仕事にする

技術の進歩により、これまでに存在し得なかったもののデザインが可能になった。ひとつには、もっとも難しい問題の解決策として、他の製品の解決策を借用することも可能になった。

車椅子の使用者にとっても心地よい16時間座っていられるシートがあったとしても、飛行機会社や家具メーカーも注目するだろう。目の見えない人が標識や看板が読めるようになるシステムができたとしたら、すぐに自動運転車に組み込まれるだろう。.

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今の状況を変えるためには、デザイン工程は逆では機能しないと憶えておくことだ。デザインは、高級車を最新式の車椅子に作り変えることはできない。自分の家で使える機能を強化して、障害者の家でも使えるようにするというのは不可能だ。

原文