2012.01.13
2012年はこうなる!
「過去に住んではいけない。未来を夢見てはいけない。心を今の刹那に集中しなさい」 – 釈迦
一年のうちの今は、この年の予測をする時。私にとって予測は、私が今していることを話すことに他ならず、あまりに普通のことなので、一部の人を除いては面白くないかもしれない。5年とか10年後の予測なら面白いが、やっぱり今年にこだわりたい。ここに示すリストは、2012年に多く目にするようになるであろうもの。ドローン、ウェアラブル、モノのインターネット(Internet of things)、Arduino、Kinect、3Dプリンタ、ハッカースペース、クラウドファンドだ。これはあくまで、楽しい会話のきっかけになる話題の提供と考えてほしい。みんなも、今年の予測をコメントに書いてくれ。来年、それを振り返って総括してみよう。 🙂
ドローン・ジャーナリズム
2011年の“Person of the Year”は「抗議する人々」だった。 2012年は何が起きるのだろう。もっと多くの抗議する人たちが現れ、その新しい取材方法も出てくるだろう。安価な手作りUAVが登場する。操縦者が、抗議活動や大災害の現場に最初に駆けつける。ドローンジャーナリズムだ。見て、中継して、記録して、報告して、感じる。そして、見る人たちを見る。携帯電話端末のビデオカメラが羽を持つのだ。
ウェアラブル
FitBitからJawBone UPまで、次世代のすごいインターフェイスが、スマートフォンのタッチスクリーンから離れて私たちの体に近づいてくる。睡眠のモニタから電子ジュエリーまで、エレクトロニクスは小さく安くなって、人の肌に移住を始める。数十種類のスマートウォッチが手首を取り合う。ガジェット作家やファッション業界は、革新的で面白い技術を、Makerコミュニティやハッカースペースに求めるようになる。
モノのインターネット(Internet of things)
デバイス同士が対話をできるようにする繋ぎ役が、その粘度をいよいよ増している。あらゆるものがIPアドレスを持ち、すべてが「話せる」ようになる。ネットに接続したサーモスタットとKickstarterで生まれた製品が、小物たちを、より優秀に簡単にして、ウェブで使えるように進化させるのだ。衣類乾燥機は、乾燥が終わるとテキストでメッセージを送ってくるようになる。このような機能は、あなた自身の手で簡単に追加でき、簡単に「働く」ようにできる。オープンソースのPachubeも登場するかも。
Arduino が100万ユニットに到達
上でも書いたけど、「物のインターネット」にはつなぎ役が必要になる。それがArduinoだ。デザイナーたちが開発した小さなオープンソースのハードウェアプラットフォームだが、2012年の終わりには出荷台数100万ユニットを越えるだろう。植木の水が涸れたことを知らせるシステムを作ろうとすれば、まずはArduinoが便利だ。100万ユニットということは、100万人分の物をよりよくするためのアイデアが実現されるということだ。Arduino は勝利し、生き続ける。
世界がKinect化する
Microsoft は引き続き大きなビジネスを Kinect (とそのハッキング)がらみで狙っている。2012年11月は、オープンソース、ロボティクス、アート、デザインのコミュニティが、オープン型のKinectで実現できることの驚きの実例を示してから2年目を迎える。より高解像度なKinectが登場すれば、ゲームやデバイスの操作がさらに進化し、ハッカーや Maker たちも、さらにクールな作品を生み出すことだろう。
3D プリント
3Dプリントと言えば、MakerBotは2011年に1,000万ドルの投資を受け、Shapewaysはニューヨーク市内に工場を作る計画だ。これによってニューヨークは、世界の3Dプリントの首都となる。また、多くの3Dプリンタのメーカーが買収され、より広く普及する低価格プリンタが作られるようになるだろう。3Dプリンタを目にする機会がずっと多くなり、それがうれしい問題を引き起こす。Autodeskは2012年中に3Dプリンタのメーカーを買収して、低価格な3Dプリンタを販売するか開発するだろう。MakerBot、Shopbot、Techshopといった企業では、「bot」なサウンドが鳴り響くことになる。
より多くの図書館にハッカースペースが
2012年には、多くの図書館から、「ハッカースペース」開設への動きが聞かれるようになる。土地に余裕があって、たくさんのMakerを抱える地域では、いくつかの試験プログラムの成功を受けて、それに続くことになるだろう。かつて、図書館にコンピュータはそぐわないと主張する石頭な人たちがいた。図書館に3Dプリンタはそぐわないとも言う人たちは、そんな石頭に似ている。
クラウドファンド
Kickstarterのようなサイトが、次なる偉大なアイデアのための第一段階となる。昨年のトップを飾ったプロジェクトのひとつに、DIY型 3Dプリンタ、Printrbotがある。83万0827ドルの資金援助を獲得した。Makerがプロになる VC(ベンチャー投資)は、大勢の支援者からの支持を集めるクラウドファンドに比べると魅力が低い。クラウドファンドのスタイルでより多くの資金が集められるようにと、アメリカ政府も動き始めている。
現代の技術に即した「技能章(メリットバッジ)」
技術の発展は非常に早く、昔ながらの学校のカリキュラムは新しい技能に追いつけなくなってしまった。2012年には、素早く技能を身につけたことを称え励ますための試みが多く見られるようになるだろう。ガールスカウトも、「資金管理、家計、将来への投資、高信用度」などの新しい技能章を作る予定だ。さらに、「職探しをする人のためのデジタル技能章」(NYTimes.com)なんてものもある。
「John D. and Catherine T. MacArthur」基金は、新しいタイプの技能章への関心を高めるためのコンテストに巨額の資金を投入している。この技能章は服に縫い付けるものではなく、ウェブサイトやブログやFacebookに貼り付けて職探しに役立てることができる。
子供たちはXboxで遊んでいるが、ハイスコア掲示板の上位に自分の名前を載せることに必死になっている。2012年は、このようなスコアリングシステムが技能の習得に応用されるかもしれない。
みんなはどんな予測を立てているかな? 私の予測は大胆すぎるだろうか。最後に、次の言葉を引用して締めくくりたい。
「ここにいる全員が、今この時こそ、私たちが未来に影響を与える瞬間であることを感じている」 – スティーブ・ジョブズ
– phillip
[原文]