Electronics

2022.02.16

Arduino開発環境とGUIベースのAIツールでエッジAIを実現する『SPRESENSEではじめるローパワーエッジAI』は2月28日発売!

Text by tamura

「SPRESENSE™」は、ソニーが独自開発したIoT向けセンシングプロセッサーを搭載した開発ボードです。省電力で高い計算能力と豊富なセンシング機能を備えていることが特徴です。本書はSPRESENSEの基本的な使い方とソニー独自のAIツール「Neural Network Console」を使用したIoT向けの組み込みAIを解説します。本書で取り上げるのは、リアルタイムでの画像認識、マイクとオートエンコーダを使った異常検知、物体抽出、音声コマンドの認識、加速度・ジャイロセンサーを使ったモーション認識など。Arduino IDEとGUIベースのNeural Network Consoleを組み合わせることで、AIの初学者でも容易に組み込みAIを実現できるでしょう。


●書籍概要

太田 義則 著
2022年02月28日 発売予定
272ページ
ISBN978-4-87311-967-0
定価2,420円

◎全国の有名書店、Amazon.co.jpにて予約受付中です。
◎目次など詳しい情報は、「O’Reilly Japan – SPRESENSEではじめるローパワーエッジAI」を参照してください。

●「はじめに」から

IoTという言葉が提唱されてから約20年が経過しました。しかし、あらゆるものがインターネットに接続する世界はまだ道半ばと言っても過言ではないでしょう。世の中には電力供給や通信などのインフラが十分に行き届かない場所が多くあります。そのようなところでもインターネットへ接続するには、電力供給に頼らない省電力の技術が不可欠です。近年、こうした課題を解決するために、省電力プロセッサーとLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの開発が進みつつあります。従来の省電力プロセッサーは計算資源が限られるため、ニーズの高い画像や音を扱うことが困難でした。またLPWAは省電力で長距離通信が可能ですが、扱える情報量が少ないため、そもそも大きなデータの送信ができません。

このような省電力システムでも画像や音を扱いたいというニーズに応えるため、ソニーは低消費電力でありながら豊富な計算量をもつスマートセンシングプロセッサ「CXD5602」と、それを搭載したボード「SPRESENSE ™️」を開発しました。Spresenseは、画像や音をAIと信号処理によって意味ある情報に変換し、LPWAでも送信できる情報量に圧縮できます。また、Spresense LTE-M拡張ボードや各社からリリースされているLPWA通信アドオンボードによってLPWAと組み合わせて使うことができます。Spresenseを活用すれば、今まで十分な電力や電波が行き届かなかったところでも画像や音を利用したIoT端末を実現することが可能になります。

本書では、画像や音、センサーデータを、信号処理やAIを使って意味ある情報に変換する手法を中心に解説しています。AIを生成するツールは、ソニーが開発した「Neural Networ kConsole」を用います。Neural Network Consoleは、グラフィカルユーザーインターフェースによって手軽にAIを開発できる優れたツールです。SpresenseとNeural Network Consoleを使えば、ローパワーエッジAIをご自身の手で開発することが可能になります。本書を読んでいただければ、ローパワーエッジAIがより身近なものになるでしょう。