教育用マイコンボード「micro:bit(マイクロビット)」を使った作品コンテスト「たのしいmicro:bitコンテスト2022」。決勝大会が8月28日(日)にMaker Faire Tokyo 2022のプレイベントとして行われ、9月4日(日)、Maker Faire Tokyo 2022の中で受賞結果発表が行われました。
今年で5回目となる本コンテスト。今回はMicrobit Educational Foundation(Micro:bit教育財団)のご協力をいただき、財団本部からのメッセージもいただきました(メッセージ動画は下の方にあります)。
5~7月に作品を募集し、8月上旬に一次審査通過作品を発表。一次審査を通過した2部門6作品が、決勝大会で最終プレゼンを行いました。決勝大会でのプレゼンテーション動画の内容と、審査員による質疑応答の内容を総合して審査が行われ、グランプリ1作品、優秀賞2作品、特別賞3作品の受賞が決定しました。審査員のコメントとともに紹介します(作品名のリンクから、作品の紹介動画が見られます)。
●グランプリ(1名)
「どこでもスイカ割り」作者:あかりさん
スイカ割りをしたいけれど、散らかってしまう…などなど、たくさんの課題があってできなかったところを、技術でひとつひとつの課題を解決した作品でした。自分がスイカに近づくと音が変わることで、目かくしをしながらでもスイカを探すことができる工夫や、実際にスイカが割れるという迫力ある演出の作成はお見事です。家でもどこでも、何度でもスイカ割りができ、散らからないように遊ぶことができていました。家族や親戚の方々が楽しそうに遊んでいる様子もあり、一家に1つは欲しいおもちゃだと思いました。(審査員:折原)
●優秀賞(2名)
「マイクロビットチャン」作者:otama さん
プログラミング担当はotamaさん、ハードウェア担当はお父さんということで、お2人の協力がよくわかる作品でした。プログラミングをするにあたってノートに先にまとめておくとよいなど、今後ほかの人がものづくりをするときに参考になるTIPSを共有していたのも魅力的でした。プログラミングの記法の美しさに感動した、ということなど、このコンテストを通してご自身で気づいた点をプレゼンテーションに入れていたのもよかったです。(審査員:矢島)
「ヘルメットかぶろうにゃ!」作者:にゃんこ姉弟 さん
交通事故での死亡者を減らすという社会問題に取り組んだ作品です。仕組みやプログラミングはシンプルながら、非常に意義のあるものだと感じます。自転車のスピードが出すぎると音で知らせてくれたり、ヘルメットをかぶることで自転車のカギが開いたり、日常に溶け込むようなユーザー体験になっています。LEDライトでヘルメットが光ったりするのもおもしろいです。姉弟で一緒に取り組んだというのもよいですね。(審査員:原)
●特別賞(3名)
「遊びながら床がキレイに!モップカーリング」作者:文理大付属 児玉さん&三浦さん
掃除をするという、普通には楽しくないようなことを楽しくできるようにする工夫があり、大変すばらしい着眼点のある作品でした。モップを使って床がきれいになるとともに、床をこすればこするほどストーンが進むという、まさにカーリングの遊びを体現できていました。また、「ヤップヤップ!」という掛け声のもと、楽しそうに2人で制作されていたところもとても魅力的でした。(審査員:折原)
「ブーブードライブシステム」作者:片山 均さん
誰もが一度はプレイしたくなる作品です。ハンドルや車の竹細工の巧妙さが非常にすばらしく、micro:bitのセンサーや通信と組み合わせることで、新しいドライビング体験が実現されています。使われている部品は特殊なものでなく、私たちの身の回りにあるものがうまく活用されています。アクセル部分を声で行うというのも、楽しさの演出にひと役買っています。(審査員:原)
「なったーホン」作者:RickN さん
家の中でインターホンが聞こえない、という悩みは、とても共感できました。映像も作品もすごくきれいで、実用的です。作品の完成度を上げるということは思ったよりも難しいことなので、先輩の力を借りたとおっしゃっていましたが、最後までつくりあげたことに自信を持ってください。このコンテストをきっかけにデジタルファブリケーションやプログラミングを本格的に始められたようなので、今後も実用的でたのしい作品を期待しています!(審査員:矢島)
受賞結果発表には、Microbit Educational Foundation CEOのGareth Stockdale氏と、Head of AsiaのWaris Candra氏より、素敵なメッセージと作品講評をいただきました。
最後に、Microbit Educational Foundationの畑紗羅さんより、以下のメッセージをいただきました。
「2017年からコンテストを続けてきてくださったスイッチエデュケーション様、オライリー・ジャパン様には心から感謝申し上げます。これからもみなさんが自己実現や自己実現にテクノロジーを使って、つくることを楽しみながら、すばらしい未来を切り開いていってほしいと、財団一同願っております。また、その楽しさがまわりにも広まっていってほしいと思います。 micro:bitへの機能要望の声もぜひ、お気軽に共有していただきたいです」
Maker Faire Tokyo 2022会場での作品展示の様子
ご応募くださった皆さま、決勝大会や受賞結果発表をご覧いただいた皆さま、本当にありがとうございました!決勝大会のもようや、受賞結果発表は、以下のリンクからご覧いただけますので、まだご覧になっていない方は、ぜひチェックしてみてください。
◎「たのしいmicro:bitコンテスト2022 決勝大会」
URL:https://youtu.be/uye8LZYvQMo
◎Maker Faire Tokyo 2022 Day2「たのしいmicro:bitコンテスト2022 受賞結果発表」
URL:https://youtu.be/3fA71oQgWws?t=1072
このコンテストでは、「たのしい!」という気持ちをいちばん大事にしています。作ることそのものを楽しむ、作ったものを使って楽しむ、作ったものをほかの人に共有して楽しんでもらう、など楽しみ方にもいろいろあります。社会課題へ取り組むことや、技術的な巧妙さももちろんすばらしいことですが、なにより自分の中から湧き上がる「たのしさ」にぜひ目を向けてみてください。初心者も大歓迎です!来年もぜひ、たくさんのご応募をお待ちしています。
■参考書籍
micro:bitでものづくりをはじめてみたい!と思ったら、はじめて使う人にもわかりやすく解説した本『micro:bitではじめるプログラミング――親子で学べるプログラミングとエレクトロニクス 第3版』(オライリー・ジャパン刊)も、ぜひご一読ください。