Electronics

2023.12.01

「たのしいmicro:bitコンテスト2023」Maker Faire Tokyo 2023にて受賞結果が発表されました!― Maker Faire Tokyo 2023 会場レポート #4

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教育用マイコンボード「micro:bit(マイクロビット)」を使った作品コンテスト「たのしいmicro:bitコンテスト2023」。10月9日(月)に決勝大会がMaker Faire Tokyo 2023のプレイベントとして行われ、10月15日(日)、Maker Faire Tokyo 2023の中で受賞結果発表が行われました。

今年で6回目となる本コンテスト。今回もMicrobit Educational Foundation(Micro:bit教育財団)のご協力をいただき、財団本部からのメッセージをいただきました(メッセージ動画は下の方にあります)。

今年は過去最大、99もの作品を寄せていただきました。運営スタッフ一同、心より御礼申し上げます。
9月上旬に一次審査通過作品を発表。一次審査を通過した2部門6作品が、決勝大会で最終プレゼンを行いました。決勝大会でのプレゼンテーション動画の内容と、審査員による質疑応答の内容を総合して審査が行われ、グランプリ1作品、優秀賞2作品、特別賞3作品の受賞が決定しました。審査員のコメントとともに紹介します(作品名のリンクから、作品の紹介動画が見られます)。


●グランプリ(1名)
月齢ドーナツ」作者:otamaさん


お月様を見て「おいしそうだな」と思ったというotamaさんのユニークな感性が表れた素晴らしい作品でした。プログラミングはビジュアルプログラミングからテキストプログラミングに移行し、MicroPythonで配列を使うなど、高度なことに挑戦しているのもよかったです。プレゼンテーションも技術の説明だけではなくレシピや食べ方紹介などたのしい要素が満載でした!(審査員:矢島)

●優秀賞(2名)
大切なふるさとの四季」作者:hodahodakaさん


とても美しいふるさとの四季の思い出を、切り絵の美しさと、LEDの光の美しさの組み合わせで表現した、世界に1つしかないランプシェードでした。じっくりと時間をかけて作成した切り絵を4面になるようにつなげ、内側からLEDライトで光らせることで様々な色に輝き、美しさを表現できていました。さらに、Micro:bitを複数個使うことで自動で回転し、四季の移り変わりを表現しているところに感動を覚えます。(審査員:折原)

micro:bitなロボット掃除機」作者:HAL機さん

実用性に相当こだわった見事な作品です。実際に自宅でも何度も使用したからこそのアイディアが随所に見られ、吸引力の工夫やプロペラの保護など、細部にまで気をつかった設計が際立っています。アイディア出しで3か月かかったのも納得ですし、制作過程での試行錯誤による工夫もたくさん感じられました。優秀賞にふさわしい作品でした。(審査員:原)

●特別賞(3名)
マグネットカード決済式ガチャガチャマシン」作者:空walkerさん


昔からあるガチャガチャマシンに、今時の決済手段を組み合わせるというアイディアが非常に印象的でした。マグネットカードを用いたことで利便性が向上し、より多くの人々がどんどんガチャガチャにハマってしまうでしょう。ガチャガチャの仕掛けの部分だけでなく、決済部分にもうまくmicro:bitが組み込まれており、特別賞を受賞したのも納得の一言です。(審査員:原)

ILIR」作者:KPさん

ハッカソンでのお題からうまく発想をふくらませて「カヌー+だるまさんがころんだ」という、ルールはすぐに理解できるけど誰もやったことのないゲームが生まれていて面白かったです。デザイン、ハードウェア制作、プログラミングを3人で役割分担したとのことで、グループワークのお手本になるような事例だと思いました。さっそく同級生などに遊んでもらっているのもよかったです!(審査員:矢島)

無性に演奏がしてみたくなった夜に」作者:まもるさん

設定したリズムで自動でいろいろなものを叩くという、とても楽しい作品でした。いろいろな空箱や空容器を叩くことで様々な音が出るドラムと、そのドラムの演奏にタイミングを合わせてメロディを演奏する……全体としてとても楽しい印象を与えることができていました。micro:bitとサーボモーターの組み合わせに無限の可能性を与えてくれました。作品の紹介動画は必見です。みなさんに是非見ていただきたいですね。(審査員:折原)


審査員の矢島佳澄さん


審査員の折原ダビデ竜さん


審査員の原正幸さん(当日はビデオメッセージでご参加くださいました)



受賞作品には、Microbit Educational FoundationのHead of Asia、Waris Candra氏より講評とメッセージをいただきました。

最後に、Microbit Educational Foundationの畑紗羅さんより、以下のメッセージをいただきました。

「今年もたくさんのユニークな作品をエントリーしていただき、ありがとうございました。大人も子どもも本気でものづくりを楽しんでいる姿が見られるこの大会は、すでにmicro:bitファンのコミュニティの土台として欠かせない大会です。これからも多くの人が自らの可能性を広げるきっかけとして、気軽にエントリーでき、かつコアなファンからも愛される大会であってほしいと願っています。」


Microbit Educational Foundationの畑紗羅さん


Microbit Educational FoundationのWarisさんも会場に駆けつけてくださいました。


Maker Faire Tokyo 2023会場でのコンテスト作品展示には、たくさんの方が訪れてくださいました。

ご応募くださった皆さま、決勝大会や受賞結果発表をご覧いただいた皆さま、本当にありがとうございました!決勝大会のもようは、以下のリンクからご覧いただけますので、まだご覧になっていない方は、ぜひチェックしてみてください。

◎「たのしいmicro:bitコンテスト2023 決勝大会」
URL:https://www.youtube.com/live/MqF0bBnRlUg
◎Maker Faire Tokyo 2023|「たのしいmicro:bitコンテスト2023」受賞作品発表
URL:https://www.youtube.com/watch?v=C85GokNgtGY

一次審査会の議論は数時間にも及びました。審査員のみなさんは、作品を選ぶのに本当に悩み、苦労されていました。応募数が増えたからというだけではなく、みなさんの作品がどれも素晴らしく、甲乙つけがたいものばかりだったからです。コンテストを継続するなかで、「去年もチャレンジしたけど、今年はさらに改良して応募しました」なんて声も聞かれるようになり、運営スタッフ一同うれしい限りです。

今年は参加賞として「micro:bitなエコバッグ」と「ステッカー」を、応募いただいたみなさんにお送りしています。このエコバッグに作品を入れて、Maker Faire Tokyo2023のmicro:bitコンテストブースに訪れてくださった方もいらっしゃいました。コンテストを通じて、micro:bitを使った「たのしいモノづくり」の輪がどんどん広がっていることを感じました。これからも、何かたのしい作品ができたら、ぜひ共有してくださいね。みんなで輪を広げていきましょう!

■参考書籍
micro:bitでものづくりをはじめてみたい!と思ったら、はじめて使う人にもわかりやすく解説した本『micro:bitではじめるプログラミング――親子で学べるプログラミングとエレクトロニクス 第3版』(オライリー・ジャパン刊)も、ぜひご一読ください。