Science

2014.02.07

Plotlyでデータストリーミング

Text by kanai

An Arduino streaming data to a Plotly graph.
Arduinoから無線でPlotlyグラフにストリーミングデータを送る

Plotlyは、クラウドにデータをストリーム配信するための無料プラットフォームだ。データのグラフ化や分析もできる。ほかのMakerをみつけて、そのデータストリームにコメントを付けたりもできる。自分のデータの所有権は自分にあるので、データのダウンロード、共有、削除が自由にできる。Plotlyのアイデアの多く(とほとんどのコード)は、カリフォルニア州セバストポルのMAKE本社からほんの数マイルのコテージで生まれた。現在、Plotlyは、モントリオール、サンフランシスコ、ボストンに住む8人のチームで構成されている。彼らは、Makerとデータサイエンティストを、グローバルなデータストリーミング・ネットワークでつなぐためのプラットフォームを開発中だ。

ArduinoとRasberry PiのWiFiシールドが安くなってきたし、Tesselのような新しいハードウェアプラットフォームも登場して、インターネット接続機能を内蔵したものが作れるようになった。すべてのデバイスやプロジェクトが、インターネットに接続されるときは近い。そうなると、デバイスから発せられたデータを蓄積して、共有して、分析できる、簡単で無料の場が必要だ。それが、Plotlyというわけだ。

「Plotlyのユーザーは、2人だけの研究室から国際的なクラウドソース化されたデータの宝庫まで、あらゆるスケールのプロジェクトでコラボレートできます」

Plotlyは、クラウド内のすべてのプロジェクトやデバイスからのデータを追跡し続ける。そこでデータは分析され、発掘され、協力的に再共有される。そしてこのデータの持ち主は、地域や興味の対象から抽出された別のPlotlyユーザーに接続できる。データもグラフもコードもすべて同じ場所にあるので、Plotlyユーザーは、互いのデータを簡単に活用でき、データの意味について共通の理解を持ち、2人だけの研究室から、国際的なクラウドソース化されたデータの宝庫まで、あらゆるスケールのプロジェクトでコラボできる。

MakerとデータサイエンティストがPlotlyに接続して行った面白いプロジェクトの例を紹介しよう。

Arduino環境データ

Alex VadosとMatte VonnéeはPlotlyを使って、モントリオールのスタジオの温度と湿度を測っている。そこで彼らは、木製ケース入りのMIDIコントローラーLes Instrumentsを製作している。このプロジェクトを彼らはInstructableで発表している。ここで見てほしい。下のグラフをクリックすると、Plotlyのデータストリームがライブで見られる。AlexとMatteのそのほかのプロジェクトや写真はAlexのPlotlyプロファイルから見られる。

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ArduinoにCC3000 Wi-FiシールドとDHT22温度湿度センサーが接続されている。

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温度と湿度のデータのPlotlyグラフ。クリックするとライブでグラフが見られる

Rasberry PiとNestのサーモスタットデータ

大陸の反対側、南カリフォルニアでは、Farhan Simjeeが家のあちらこちらの温度をPlotlyへストリーミングしている。1階はNest温度計、2階はRaspberry Pi、屋根裏部屋はArduinoだ。下のグラフでは、屋根裏のArduinoのほうが、1階のNestよりも高い温度を示している。このプロジェクトに関する詳細は、FarhanのGitHubで見られる。

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Farhanの家の2階から、Raspberry PiでPlotlyに温度のデータがストリーミングされている。

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Rasberry Pi、Arduino、Nest温度計からの温度データ。クリックするとライブでグラフが見られる

宇宙からのストリーミングデータ:NASAの衛星Satellite ResearchのPlotly

バーモント工科大学のCarl Brandon教授は、Plotlyを使って彼がNASAのために打ち上げた衛星からのデータをグラフ化して公開している。衛星からのデータは彼のコンピューターに送られ、ファイルをPlotlyにアップロードしてグラフ化し共有する。下は衛星の写真と、衛星の姿勢の変化を時間ごとに示したPlotlyのグラフだ。

Carlは、衛星からのもっと面白いデータを彼のProfileページで公開している。太陽のエネルギーの強さや地球からどれくらい離れているかなどだ。

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NASAのCubeSat衛星からのストリームデータ。これがPlotlyにアップロードされ、グラフ化されて公開される。

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CubesatからのデータのPlotlyグラフ。クリックするとライブのグラフが見られる

オンライン・ジャーナリズムのグラフ

Plotlyを使うためには、何かを作ったり測ったりする必要はない。Wired誌のRhett Allainは、彼のブログ、Dot Physicsに載せるデータをPlotlyから拾ってきている。下のグラフは、「How Do You Levitate Things with Sound?」(音で物を浮かせるには?)という記事に使った音の波形のグラフだ。

Rhettの記事のグラフはほかにもある。彼のPlotly Profileを見てほしい。

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Wiredの物理ブログ“Dot Physics”で使われたPlotlyのグラフ。クリックするとライブのグラフが見られる。

Plotlyの目標は、Maker、データサイエンティスト、研究者、ジャーナリストを、それぞれのプロジェクトや研究のデータでつなぐことだ。Plotlyは、そうしたデータをより深く理解し、そこから何かを発見するための無料のオンラインツールを提供する。私たちのプロジェクトに興味のある方、またはあなたのプロジェクトを共有したいとお考えの方は、jack@o-plot.lyまたは、Twitterの@plotlygraphsへ連絡をください。まだまだ若い会社なので、みなさんの意見やフィードバックを聞いて、しっかりやっていきたいと思っています。

– Jack Parmer

原文