Science

2017.11.27

3Dプリント、レゴ、手作りスリーブなどを病院で役立てる人たち

Text by Jeremy S CookTranslated by kanai

医療分野でも、さまざまな人たちがMakerのテクニックを応用している。ニューヨークで開かれた今年のWorld Maker Faireでは、そうした革新的な人々やプロジェクトに出会うことができてうれしかった。

医療教育のための3Dプリント

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最初に出会った医療系Makerは、Alex Chee博士とHenry J. Feldman博士だ。どちらもハーバード大学医学部大学院病院で医師として勤務しながら、未来の医師たちの教育にも従事している。医療教育自体は、医者という仕事ができたとき以来ずっとあるわけだが、彼らは、それまで夢の世界の話であった3Dモデリングや3Dプリンターといった新しいツールを手に入れた。

上の写真は、Feldman博士がMaker Faireのブースで僧帽弁修復シミュレーターを展示している様子だ。従来の心臓用の弁のシミュレーション装置に比べると、3Dプリンターを使って格安に作ることができる。

下の写真は、Chee博士が実際の患者の気道から作ったモデルを見せているところ。ここで使われている素材は硬いものだが、博士は水溶性のPVAを使用する技術も開発した。ゴム系の塗料を塗ってからPVAを水で洗い流せば、より自然な感触になる。それを使って、学生たちは、気道の中に小型カメラを通す練習ができるのだ。

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レゴの医療機器模型

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興味深いことには、Makerの技術を応用した医療教育を受けているのは新米医師だけではない。Lego Medical Modelsグループは、患者に治療方針を説明するためにレゴを使っている。普通の大人なら、話を聞くだけでどのような治療が行われるのかを想像できるが、とくに子どもや知的障害のある人たちには、手で触れる模型が役に立つ。

こうした教育ツールによって、多くの子どもたちが鎮静剤を使わずに治療を受けられるようになっている。上の写真で見られるように、右側の微笑んでいるレゴ人形が、この表現方法の目指すところを示している。

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末梢挿入中心静脈カテーテル(PICC)や中心静脈カテーテルは、薬剤を長時間にわたって静脈内投与するために使われるが、とくに化学療法や構成物質の高度な投与方法として知られている。しかし、小さい子どもの場合、カテーテルを引き抜いてしまい、治療がうまく行かないことがある。

2011年から娘のSaoirseが癌の治療を行っているというKezia Fitzgeraldは、カテーテルを安全に固定するためのスリーブを考案した。同じ問題を抱える子どもたちが多いことを知った彼女は、さらにこれを改良し、医療機器として販売を始めた

Sreyash Sola:感じる杖

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Sreyash Sola(上の写真)が持っているのは、遠くの情報が振動モーターによって手に伝わる杖のモックアップだ。彼のウェブサイト を見るとわかるが、距離センサーで操作できる鉄琴など、楽しい発明品もたくさんある。

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