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2014.11.04

実寸大の「R2-D2」を自宅で製作する ─ R2ビルダーズ・クラブ・ジャパン[MFT2014出展者紹介]

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「R2 ビルダーズ・クラブ・ジャパン」が初のイベント参加

R2ビルダーズ・クラブとは、映画『スター・ウォーズ』ファンによる国際的なグループだ。『スター・ウォーズ』に登場するアストロメク・ドロイド、R2-D2を中心としたドロイドのレプリカを製作するための情報共有を目的として、1999年、オーストラリアのデーブ・エヴェレット氏によって設立された。現在、世界に約14万4000人のメンバーがおり、日本にも数多くのビルダーがいる。

R2ビルダーズ・クラブ・ジャパンは、日本在住のビルダーのコミュニティーとして、今年の5月に結成された。今回のMaker Faire Tokyo 2014には、東京、名古屋、福岡からメンバーが集合、それぞれの製作中のドロイドを展示する。

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R2ビルダーズ・クラブには、ドロイド製作に興味さえあれば誰でも参加可能だ。

製作についての決まったルールはなく、どんな材料を使ってもいい。実際、世界の会員が製作したR2-D2は、木、プラスティック、アルミ、グラスファイバーなど、様々な材料を使用したユニークなドロイドが存在する。映画のR2-D2にそっくりでなくてもかまわない。2本足でも3本足でもいい。リモコンで走行したり、頭を回転させたり、ライトが光ったりといった機能も、それぞれ自由に工夫して、自分だけのドロイドを作る。こうして製作した個性的なドロイドをメンバー同士でお互いに披露しあって楽しむのが、このクラブの醍醐味だ。

なお、R2ビルダーズ・クラブのサイトには、映画に登場するオリジナルのR2-D2を研究した有志によって作成された詳細な設計図もちゃんと公開されており、必要なパーツや名称のリストも掲載されている。さらに、R2ビルダーズ・クラブ内では、ほかのビルダーが製作したパーツやキットを売買するコミュニティーもある。つまり、熱意さえあれば、本物そっくりのレプリカをつくることも可能だ。

ジョナサン氏と小さな子どもたちのドロイド製作

今回、Maker Faire Tokyo 2014に参加するメンバーの一人、ジョナサン・ラインフェルズ氏(日本在住)がクラブに入会したのは、2011年のクリスマスにYouTubeで、Maker Faire Bay Areaに出展した「R2ビルダーズ・クラブ」の映像を見たのがきっかけだった。

彼は、ドロイドたちがとてもクールだと思い、自分たちも作ってみたくなったという。そして翌2012年にはクラブに入会、6歳と3歳の息子と一緒にR2-D2の製作を楽しむようになった。そして現在は、約80%が完成したところ。

日本の住宅事情では、製作スペースの確保が心配だ。しかし、大きなパーツは海外から購入すれば広い作業スペースがなくても、大丈夫。ジョナサンは、自宅のわずか3畳の部屋で、息子たちとともにR2-D2を製作している。

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製作中のフロントアーム

次に気になるのは、材料の入手先と費用かもしれない。ジョナサンの場合、材料は海外のメンバーから購入したパーツと自作だけでまかなっているという。主要なパーツは日本で入手するよりも、海外メンバーから購入したほうが安上がりだそうだ。工夫すれば、購入費用を10分の1程度に抑えられるとか。

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ロジックエンジン「カステムArduinoボード」とアルミサーラウンドハウジング

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R2-D2の足パーツ。製作者の好みによって2本足、3本足の場合もある

パーツが揃っても、カッティングやペイント、プログラミング、PCB製作など、ドロイドが完成するまでの道のりは長い。難しいこともあるが、それも楽しみのひとつ。ジョナサンの2人の息子たちもドロイドづくりが大好きだ。

一緒にドロイドづくりを始めるようになって、6歳の長男は市販のおもちゃをほしがらなくなったそうだ。先日も友だちがもっていた妖怪ウォッチの腕時計を見て、100円ショップの材料で自作した。もちろん、時計は動いたりはしないが、それでも自分は満足だという。

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製作中の自作R2-D2を見てみて、聞いてみよう!

R2ビルダーズ・クラブ・ジャパンは、ふだんはメールなどで情報交換をして、年に1度くらいのペースで集まっている。11月にはウェブサイトを公開、メンバー同士で情報共有できるようにする予定だ。

模型や工作の経験がまったくなくても、熱意さえあれば誰でもドロイド製作は始められる。世界中には大勢の先輩ビルダーがいるし、言葉の壁は日本の仲間がサポートしてくれるからだ。世界中のメンバーにアイデアを相談して、自分だけのドロイドをつくってみるのはどうだろう。

興味がある人は、ぜひ今回のMaker Faire Tokyo 2014に足を運んでみてほしい。「パーツの入手方法や製作のスケジュールなど、気になることがあったらどんどん質問してみてください」と、R2ビルダーズ・クラブ・ジャパンのメンバーたちは言っている。

— 松下 典子


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