Fabrication

2017.11.07

スマートフォンを光源とする99ドルの光造形3Dプリンター、Onoの実働デモを見た

Maker Faireのいいところは、誰よりも早く新しい技術が見られる点にある。2015年、ニューヨークのWorld Maker Faireで、Olo Printerというデバイスのコンセプトが発表されて話題を呼んだ。スマホの画面の光を使ってレジンで3Dプリントをするというアイデアだ。その翌年、その企業がKickstarterキャンペーンを立ち上げ、99ドルで発売予定のそのプリンターに、16,000人のバッカーから230万ドルの資金を集めることに成功した。そしてその名称をOloからOnoに変更した。

Crafts

2017.11.06

気候変動データを鍵編みで毛布化する

ちょっと見ただけでは、可愛い模様の鍵編みの毛布にしか見えないが、じつはすごい内容が含まれている。この毛布には、過去130年間の気候変動のデータが編み込まれている。ひとつの六角形が1年を表し、20世紀中ごろの平均気温に対する気温の変化を色で示しているのだ。

この独創的なデータ視覚化毛布は、Lara Cooperの作品。彼女は野生動物の保護に尽力する生物学者なのだが、研究室の外では、Level Up Nerd Apparelという、ナードな衣料品を販売するオンラインショップを経営している。

Electronics

2017.11.02

TensorFlowでじゃんけんマシンを作る

Google Cloudデベロッパーアドボケイトの佐藤一憲さんがお子さんと夏休みの自由工作として作ったじゃんけんマシンの製作過程をまとめた記事。シンプルな工作から始まって、だんだんと高度なデータ分析手法の解説になっていきます。

まず、ハードウェアはビニールの手袋にlittleBitsの曲げセンサー、サーボ、Arduinoモジュールなどを組み合わせて製作。手にはめてグー、チョキ、パーそれぞれの指の曲がりぐあいを検出する仕組みですな。

Kids

2017.11.01

ニューヨーク教育事情#2 大学内のメイカースペースの現状、そしてEdtechビジネスに感じた違和感

今回はニューヨークのメイカースペースを設けている大学、教育プログラムを行っているメイカースペース、教育系テクノロジー関係者が集まったパーティーをそれぞれ訪れた際の様子をレポートしたい。

前回に引き続きNerdy DerbyのTakに紹介してもらったニューヨークのクリエイティブ系教育関係者を訪れた。広いニューヨークでマンハッタンを中心に北に南にと移動してかなりの数の場所を訪れたが、これでも全部見て回ることはできなかった。

Parsonsは美術やデザインを専門とした大学で、有名デザイナーなどをこれまで輩出している。

Other

2017.10.31

ニューヨーク教育事情#1 女子校に設置されたメイカースペース

今年のMaker Faire TokyoでのNerdy Derbyによるミニチュアカーレースを覚えているだろうか。メンバーのTakとJaymesの2人はそれぞれニューヨークの学校で講師をしていて、今回ニューヨークのMaker Faireを訪れたついでに彼らの職場を訪れた。

行き先が学校であるという以外あまり情報もなく、教えられたマンハッタンの住所を訪れると、警備のいる入口でJaymesが迎えてくれた。そこは女子校のプレパラトリー・スクール(大学進学準備のための学校)だった。

Crafts

2017.10.30

刺繍ソフトウェアの混乱した世界を理解しよう

去年、コンピューター式の刺繍マシンが意外に安く、いいおもちゃになると私は知った。私が持っているBrother SE400で試して感動した。しかし、刺繍用ソフトウェアのエコシステムには大変にイライラさせられるところがある。そこで今回は、自分がどのソフトを使うべきかを解説していこうと思う。(日本語版編注:Brother SE400は、日本ではFamily Marker FM800として販売されていました。ただし現在は廃盤になっています。

Other

2017.10.27

被災地にMakerができること:プエルトリコにソーラーランタンを寄付するHackerfarm

はっきりと覚えている。ガールフレンドのJacintaと深圳のCNC工場から帰ってきたときだ。携帯をチェックすると、プエルトリコが少なくとも6カ月間停電しているというニュースが現れた。「ウソだろ」と私は思った。「ニュージャージー全体が半年以上も停電しているのに匹敵するぞ」と。

[東日本大震災の]津波の後に東京で実施された計画停電のときの気持ちは、今でも忘れられない。暗い部屋に座っているだけで何もできない、あの無力感はかなりのものだった。これまでの人生で、つねに電力が使えるインフラは当たり前の存在になっていた。

Other

2017.10.26

単3乾電池で340日間動作するESP8266ワイヤレスセンサー

ESP-8266(ESP-WROOM-02)を使うと、お金をかけずにワイヤレスセンサーデバイスを作ることができます。Arduino IDEやMicroPythonで開発できるから、プログラミングも比較的易しい。でも、実際に動かしてみると気になるのが消費電力。通信時にかなり電気を食うので、電池だけでずっと動くように作ろうとすると工夫が必要です。

そんな工夫の数々を国野亘さんがわかりやすくまとめてくれました。温度センサを実際に作って動かす実験の結果、単4電池3本を使用して連続170日間の動作を確認。

Other

2017.10.25

Maker Faire New York 2017 #3 アマチュア無線、ビデオシンセ、ベクタースキャン… レガシーメディアを遊び尽くす

アマチュア無線やラジオ、モジュラーシンセサイザー、8mm・16mmフィルムやブラウン管のモニターなど、愛好家を除いて現在ほとんど使われなくなったが、30代以上の世代の多くのメイカーにとっては、それらをバラしたり組み立てたりして電子工作に慣れ親しむきっかけになったのではないだろうか。

今年のMaker Faire New Yorkには、既に多くの人々が使うものではなくなったレガシーメディアの部類を今日の技術でアップデートした作品にいくつか秀逸なものがあったので紹介しよう。

Other

2017.10.24

Maker Faire New York 2017 #2 匂いのシンセサイザー、Edtechシーンが集中するニューヨーク

9月下旬のニューヨークは半袖でも汗ばむ温度で、まだ夏の雰囲気が残っていた。雲ひとつない青空の下で開催されたニューヨークのMaker Faireでは屋外のスペースも活用され、たいていはテントを張っていたが、屋根を設けずに完全に野外で(のびのびと?)3Dプリンターを動している豪快なブースもあった。

ブルックリンにある食べ物と飲み物のための博物館、Museum of food and drinkによって作られた「The Smell Synth」はピアノを弾いて音を出すように匂いを出すというコンセプトで制作された匂いのシンセサイザーだ。