Electronics

2011.08.08

2011 Makey Awards ノミネート 09:iRobot Roomba – もっともハックしやすいガジェット部門

Text by kanai




1990年に3人のMIT同窓生によって設立されたiRobot社の最初のヒット商品は、1998に DARPA(米国防高等研究事業局)の支援を受けて開発した、今ではすっかり有名になったPackBotでした。この会社の民生用のフラグシップであるお掃除ロボットのRoombaは2002年に発売され、今日までに600万台以上も出荷されるという商業的な大成功を収めました。
Roombaには、工場でプログラムを書き込むために、TTLシリアルインターフェイス用のMini-DINコネクタがあります。このコネクタは、標準的なPCやMacのシリアルプロトコルとは互換性がありませんが、発売後すぐに補修部品として、Bluetooth、USB、RS232Cでの接続を可能にするアダプタが登場しました。
iRobot は、当初からハッカーコミュニティの育成に力を入れていて、Roomba用シリアルコマンドインターフェイスプロトコルを一般公開したり、2007年にはiRobot Createを発表しました。Createとは、Roomba型の移動式プラットフォームで、掃除機が搭載されていた部分が空きスペースになっています。まさに、ホビーロボティクス向けの製品です。Createには、接続したデバイスと、アナログまたはデジタルで信号のやりとりをするための入出力ピンが25系統も用意されています。
Roomba/Createファミリは、すでに「ハック可能」という領域から、新しいロボットやロボット型機器のための汎用的で使いやすく遍在的な開発プラットフォームに進化しています。Roombaベースのロボットやハッキングに関する書籍も数多く出版されています。そもそもこの会社は「ハッカーフレンドリー」な企業としてスタートし、Roombaのハッキングコミュニティが生まれれると、それを積極的に応援してきました。これこそまさに私たちが理想とする製造業の形です。iRobotを 2011 Makeysにノミネートした理由はそこにあります。おめでとう!
そのほかのノミネート企業

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– Sean Michael Ragan
原文