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2023.07.07

大手企業のメイカースペース担当者が語る日々の苦労と工夫、東芝「Inhouse Makers Day」トークセッションレポート

Text by Yusuke Aoyama

企業内でメイカー活動を行ったり、メイカースペースの設置・運営に奔走したりしているメイカーたちが集まり、自分たちの活動について語るトークセッション「Inhouse Makers Day 東芝×ソニー×リコー×デンソーが語る企業内メイカースペースの今」が開催された。

このセッションは、東芝のデザイン部門が取り組む共創活動について発信するオンラインイベント「TOSHIBA DESIGN FAIR 2023」のプログラムの1つとして2月24日にライブ配信されたもの。

今回は、そのセッションの模様をダイジェストとしてレポートする。なお、セッションのアーカイブ映像がYouTubeで配信されているので、内容が気になる人はそちらも参照してほしい。

セッションに登場したのは、ソニー「Creative Lounge」発起人のひとりであるソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)の田中章愛(たなか・あきちか)さん、リコー「つくる~む海老名」の立ち上げメンバーの本美勝史(ほんみ・まさし)さん、デンソーのメイカーサークル「DEES Maker College」を立ち上げた岡本強(おかもと・つよし)さん、そして東芝「Creative Circuit」の仕掛け人である衣斐秀聽(いび・ひでき)さんの4名。

それぞれが自分たちの取り組みについて紹介をした後、サイコロを使ったテーマトークが行われた。


左から順に東芝の衣斐さん、SIEの田中さん、リコーの本美さん、デンソーの岡本さん

4つの企業ごとの特色あるメイカースペースの現状と成果

まずは、それぞれの登壇者から、それぞれの企業における取り組みについてプレゼンテーションが行われた。

SIEの田中さんは、佐世保高専や筑波大学の学生だったころからロボコンやRobo-oneなどのロボットコンテストに出場。ソニーでもロボットの研究に従事し、そうした経験が現在手がけている学習向けロボットトイ「toio™(トイオ)」に結実した。

そうした業務と並行して、仲間たちと社内にメイカースペースの設置に奔走し、それが新規事業や新製品の創出を増やすことを目指した当時の会社の方向性と合致し、Creative Loungeの立ち上げと運営にたずさわることになった(詳しくは、過去のインタビュー記事を参照)。

「(Creative Loungeの)特徴は、ソニー本社の1階にあって、入構カードも必要ないオープンな場所。元々修理センターでお客さんが自由に出入りできる場所なので、本当に社内だけじゃなくて社外の方が気軽に利用できる。ミーティングとか、ワークショップなんかもできる場所になっています」(田中さん)

現在は、Creative Loungeの責任者は後任に引き継ぎ、直接の運営からは離れているものの折に触れて助言をし、エンジニアとしてまたメイカーとしてCreative Loungeを積極的に利用している。そうした活動のひとつが、2022年にはNHKの番組「魔改造の夜」にはSニーの「アルクニャン」チームのリーダーとして出演であり、番組内では見事な結果を残している。

Creative Loungeからこれまでに生まれてきた成果としては、田中さんが手がける「toio」の開発試作機の製作であったり、小学生を招いてのユーザーテストを行ったりと、大いに活用してきた。また、2022年にはNHKの番組『魔改造の夜』にSニーチームが出場した際には、「アルクニャン」および「お茶の魔ケトル MKZ-1300N」の、まさに魔改造の場となったこともある。

「(Creative Loungeで)集中してモノづくりに取り組んで、ピークの時はめちゃくちゃモノであふれていた。(番組収録への)出発前日にぶっ壊れた部品とかがあって、それを夜中に削って、なんとか朝までに出発に間に合ったとか、そういうドラマもありました」(田中さん)

「スピード感のある施策ができたり、思いついたことをすぐに実践できたりするっていうのが、Creative Loungeとかメイカースペースのいいところだなと思います」(田中さん)


SIEの田中さんは、メイカースペースの運営は必要なら外部の力を借りるべきだとも話した

リコーの本美さんは、プリンターやコピー機などの設計・開発に従事した後、現在は組織力強化に向けたデザイン思考やアジャイルの社内浸透を担当している。また、社内副業として「つくる~む海老名」の運営チームに参画している。

「つくる~む海老名」は、海老名のリコーテクノロジーセンターに2020年に誕生した、社員向けのメイカースペース。リコーでは、2015年に新横浜事業所内にメイカースペース「つくる~む新横浜」を設置していたが、2021年の同事業所の閉鎖によってクローズしており、その役割を実質的につくる~む海老名が引き継いでいる(つくる~む新横浜については過去のインタビュー記事を参照。なお、つくる~む海老名については後日、レポートを別途掲載の予定)。

スペースとしては小さいものの、定期的にワークショップを開いたり、モノづくりに関するライトニングトークを行ったり、社外のものづくりイベントに参加したりといった活動を実施。また、社内のグループウェア上でつくる~むのコミュニティを立ち上げており、500人ほどの社員が参加し情報交換も行っている。

「最初はイノベーションをここ(つくる~む)から生みだそうと意気込んでやっていたんです。だけど、ちょっと早すぎるんじゃないかと思い、まずは一緒に楽しく働けるクリエイティブな社員を増やすことを目的にしています」(本美さん)

メイカースペースとしてものづくりに関する実績も生まれている。リコーの主力事業であるプリンターやコピー機の開発や検証に際して、トナーの取り扱い時に使用するフィルムをレーザーカッターで加工したり、開発時のジグを3Dプリンターで作ったりするなど、業務上でも活用している。

また、NHK「魔改造の夜」にRコーチームとして出場した際にはモンスターたちの部品作成にレーザーカッターや3Dプリンターが活躍したり、社内でものづくりイベントを開催し38組の参加者を集めたり、徐々にその活動を拡大させていっている。

「Maker Faireみたいなものを自分たちでもやりたくて、2022年8月に開催しました。初めてのイベントだったので、どうなることかと思ったんですが、38組も参加してくれた。(中略)うちの特徴だと思うんですが活動の幅が広いんですね。ラミネーターを自作したり、偉い人がジオラマを作ったり、釣り竿や楽器を作ってみましたという人も。多様性があるイベントが開けた」(本美さん)


リコーの本美さんは、「メイカースペースには何よりも『自分が欲しいから作る』という気持ちが大切」だと言う

デンソーの岡本さんは、和歌山高専から電気通信大学を経てデンソーに入社。技術者として活躍してきたが、ふと立ち止まった時に「手を動かしてモノづくりをする」機会が減っていることに気がつき、仲間と共にモノづくりサークル「DEES Maker College」(以下、DMC)を立ち上げ、その活動拠点として社内にメイカースペースを立ち上げた(詳しくは過去のインタビューを参照)。

DMCは、社内でのサークル活動という位置づけで、業務に関わる価値や意味を問わず、とにかく「手を動かして遊びましょう」という所からスタートしている。しかし、本社敷地内のスペースを利用していることもあり、その存在理由や価値をアピールするために支援者を増やすことを狙った活動もしている。

1つは、注目される作品を作りだすこと。例えば「VR黒髭危機一髪」はネットメディアやニュースだけでなく、バラエティ番組に取りあげられた。2つめは、ものづくりへの理解促進のため社内でDMCメンバーによる作品展を開いたり、Maker Faire Tokyoへの日帰りバスツアーを開催したりした。こうした活動の一端が、NHK「魔改造の夜」の出演にも結び付いている。

もちろん、こうした活動は「遊び」のためだけではない。「エンジニアのサードプレイス」として仕事とは直接関係のないところで本気で遊ぶことで、そのマインドを会社に広げたい。そして仕事としてのものづくりをさまざまな意味でレベルアップさせたいという思いがある。

「最初から目的地を目指すのではなくて、遊びから始めて、だんだん情熱を燃やしてやっているうちに、目的地に到達する。この順番が大事だというハーバード大学の教授の言葉を見つけて、これはまさしく僕らのやりたいことだと」(岡本さん)


デンソーの岡本さん。DMCは有志のサークルだが、(遊びでつくった創作品が)社内の教育やインターンシップに採用されるなど、徐々に社内でも認知と存在感を高めているという

東芝の衣斐さんは、CPSxデザイン部共創推進担当として同社の川崎コミュニティセンター内の共創スペース「Creative Circuit」を立ち上げた(詳しい経緯は、過去のインタビューを参照)。

Creative Circuitは、「クリエイティブ=創造性」が「サーキット=循環する」という意味を込めて名づけられたもので、場所だけでなく人材や手法についても強化し、3つの要素が連携集約することによって、共創のためのプラットフォームとなることを目指したもの。

特徴のひとつが、「製品レベル」のものが作れる機材が揃っていることで、部品の表面に高品質な印刷が可能なUVプリンターや、樹脂製のパーツを量産できる射出成形機などは、実際の製品開発における最終段階の検証にも活用されている。

他にも、IoT関連の開発者コミュニティや複数の企業が関わる共創プロジェクトの活動の場としたり、川崎コミュニティセンター内の体験スペース「東芝未来科学館」のノベルティを製作したり、さまざまなワークショップの会場としたりなど、幅広く活用されている。


東芝の衣斐さん。Creative Circuitの開設から2年経っても「初めて知った」という社員がいるので、認知のための社内活動に終わりはないという

各社の自慢、担当者とメイカースペースの出会い、名物人間

登壇者からのプレゼンが終わると、サイコロによるテーマトークとなった。サイコロは、それぞれの登壇者が工夫を凝らして製作したものを持ち寄っている。ここでは、企業内メイカースペースの設置や運用に、特に関わるテーマに絞って紹介する。

・「メイカースペースここが自慢」

衣斐さんは、自慢と言うよりも頑張ったこととして「機材を置くスペースの狭さと、レイアウトの工夫」を上げた。Creative Circuitは、ミーティングやワークショップを行う共創スペースは非常に広いものの、施設の都合で機材を置くメイカースペースはかなり狭い。そのため、機材の配置には非常に苦労したという。

「(アドビの)Illustrator上でレイアウトをずっと検討しても、あれが入らない、これがはいらないってなった。だから、当時はまだあまり使えなかった3D CADで、立体的に機材を配置した。立体パズルを頑張りました」(衣斐さん)

岡本さんは、DMCのメイカースペースのネットワーク環境を上げた。本社内は本来、厳しいセキュリティ基準があるため、インターネット接続は制限されている。しかし、ITインフラを担当する部署と交渉することで、(会社ネットワークから切り離された)制限のないインターネット回線をメイカースペースに導入できたという。

「地味だけど自慢です(機密を扱わない業務外活動に限定することで、制限なく社外のクラウドサービスを使える回線を導入)」(岡本さん)

本美さんは、つくる~む海老名に関わる人の幅広さをアピールする。

「スペースとしてあまりポイントはなくて、緩くいろんな人とつながっているのが私たちの強みかな。釣り竿を作っている人、楽器を作っている人、クラウドファンディングで製品化に取り組む人など、多様な人が一堂に会する場を作ることができたのがポイント」(本美さん)

田中さんは、まず「イチオシは、自走していること」だと言う。

ソニーのCreative Loungeは、2014年にスタートし、初代担当者の田中さんから数えて、現在は3代目の担当者に引き継がれ、「代が変わってもどんどん進化し続けている」という。

さらにCreative Loungeをきっかけにして、ソニーグループ内にはいくつものメイカースペースが作られ、「身近なところだけでも3つ4つあって、海外にも似たようなものがあったのを見たこともあり、自律的に広がっている」という。


各社が製作して持ち寄った、さまざまな大きさや形に機能を備えたサイコロ達

・「メイカースペースにどう出会って、どうはまっていったか」

岡本さんは「オーディエンスを使っていいですか」と、助っ人の召喚を要請。急遽、DMCのメンバーである東周(ひがし・あまね)さんが登場した。

東さんは、DMCに途中から参加し、現在はサブリーダーを務めている。デンソーには中途で入社したが、大企業にありがちな部門や部署ごとの壁、自分の裁量外の仕事に手が出せないことに対して「悶々としていた」そうだ。だが、DMCと出会ったことにより、それが一変した。

「すごく楽しくて、3DプリンターやCADで遊んでいるうちに、どんどんと作ることにはまっていった。会社のなかで完全に遊んでいて、放課後に遊ぶために仕事を早く終わらせようと頑張っている」(東さん)

DMCという遊び場を手に入れたことで、そこで遊ぶために仕事を早く終わらせようと頑張った。その結果、仕事でも成果が出るようになり、「仕事も楽しい、放課後も楽しい、会社が楽しい」という好循環が生まれたそうだ。

リコーの本美さんは、自身のエピソードを語った。

本美さんは、初めてMaker Faire Tokyoを見た時に「日本にこんなところがあるのか」と衝撃を受けたと語る。そこでメイカームーブメントを知り、同時期に高須正和さんが編集・執筆した『メイカーズのエコシステム』(2016年、インプレスR&D)を読み、そこに登場する「つくる~む新横浜」を知ったことで、「自分の身近に(メイカースペース)が欲しい」と思うようになったのが「つくる~む海老名」の最初の起点になったという。

SIEの田中さんとメイカースペースとの出会いはシリコンバレーだった。

スタンフォード大学に留学中、その近所にあったテックショップと呼ばれるメイカースペースで、さまざまな人が集まってもの作りをし、作ったものを見せ合って、時にはそこに投資家も参加し、スタートアップが立ち上がっていく現場を目の当たりにしたという。

「これは日本で、ぜひソニーでもやりたいなというところから(Creative Loungeに)つながりました」(田中さん)

東芝の衣斐さんのメイカースペースとの出会いは、2013年のお台場で開催されたハッカソンだった。当時、オープンしたばかりのものづくりに特化したコワーキングスペース「MONO」がハッカソンの会場で、そこでデジタルファブリケーションツールを初めて触り、会社にもメイカースペースを作りたいという思いのきっかけになった。

・「(メイカースペースの)名物人間」

田中さんからは、「魔改造の夜」にもメンターとして登場し、aibo復活の立役者でもある森永英一郎さんの名前が出された。森永さんはソニーのレジェンドエンジニアであるだけでなく、ロボコン界においてもレジェンドであり、田中さんにとってはソニー入社のきっかけにもなった「会いに行けるアイドル」のような存在。Creative Loungeの立ち上げ時にも、「森永さんみたいな人が使ってくれるといいな」と考えながら機材を選んで、実際にそうなったという。

衣斐さんは助っ人として、同じ部署で共にCreative Circuit運営を担当する安達浩祐さんを紹介。安達さんは以前、生産技術部門に所属し、また個人的にファブラボを利用していたことから、機材の使い方のみならず、設計や作るところまで踏み込んだアドバイスを行えるのだという。

岡本さんも助っ人として、DMCの「名物人間」である平井雅尊さんを呼んだ。平井さんは学生時代からロボコンに参加し、マイクロマウス競技会での優勝経験もあるDMC随一のガチ勢のひとり。その平井さんからは、メイカースペースを作るとソニーの森永さんや平井さん自身のような「ガチ勢」が社内から出てくるだけでなく、メイカースペースをきっかけにして「沼にはまる」人も出てきて「名物人間」になるのだという。

本美さんは、「平井さんの言うとおり、メイカースペースを運営していると名物人間が出てくるというのは、その通り」と言い、つくる~む海老名で開いた社内イベントに、リレー回路を使った手作りCPUを出展した人の話を聞いていると、実は自作スピーカーをクラウドファンディングでの頒布を企てていたりと、まさに名物人間という人がいた、というエピソードを紹介した。


見学に来ていたスイッチサイエンスの高須正和さんも登場し、ソニーのtoioとM5stackのコラボ実現までの経緯を語った

イベント企画、場の緩さ、担当者のモチベーションなど持続に向けたポイント

セッションの最後は、質疑応答コーナーとして視聴者からの質問に答えた。

・「製造業じゃないのに社内メイカースペースを作ったが利用者が増えず存亡の危機。利用者を増やすためのコツは何か」

田中さんから「利用者を目標にすると大変だと思う。ただし、利用者数が多い方が盛り上がりやすいのも確かなので、ハッカソンとかロボットコンテストとかイベントをやってみるのはいいかもしれない」とのアドバイスがあった。

衣斐さんからは、「僕らも利用者数を増やしたくて、毎週水曜日の業務後に集まる『スイスイ会』をやったり、展示会をやったりしている」との助言。

・「マイクロマウスや魔改造の夜のようなガチな競技系といった真剣なメイカー活動と、そうでないゆるいメイカー活動を両立する際の工夫を教えてください」

岡本さんが「すごく大事なポイントをついた質問」だとして、次のように答えた。

「裾野を広げるのと、頂点を伸ばしていくのと両方大事。僕はそんなに大したメイカーじゃないけど、すごい人がリーダーとして引っ張っていくスタイルもありですが、メンバーがすごくならなきゃいけないと思っちゃう(初心者が気軽に参加しにくくなる)懸念もあるので、リーダーになる人と頂点を伸ばしていいく人は別でも良いと思う」(岡本さん)

ただしと岡本さんは続けて、質問者自身が「エネルギー切れにならないように」とのアドバイスもした。

「メイカー文化がないと名物人間も見つからなくて、(本人が)エネルギー切れになっちゃうかもしれない。(本人の)エネルギーが持続するように、外に出て、熱のある方からエネルギーをもらえる環境を作るところが大事」(岡本さん)

また、田中さんからは「Creative Loungeで良かったのは缶バッチを作る機械や、Tシャツ用プリンター」を置いたことだと、具体的なアドバイスがあった。

「缶バッチとか簡単に誰でも使える。気軽で、安くて使えるものがあると、広報とか人事とかの人も使ってくれる。ガチすぎない機材もあったらいい」(田中さん)

それに応えて衣斐さんからは「頂点の人も初心者の人も集まるのが理想的だけど、頂点の人は自宅に環境を作ってしまう」課題があるとのコメントがなされた。それに対して田中さんから「(Creative Loungeの)機材を選ぶ際に、家で買えそう、置けそうな機材は入れない」ことにしたという。そうした観点から缶バッチ製造機も選んだそうだ。

この他にも質問やそれに対する有益な回答があったので、興味がある方はぜひアーカイブ動画を見てほしい。


最後は、司会を担当した東芝の田中さん(前列の一番左)や、助っ人として急遽登壇した方たちも一緒に記念写真を撮影

最後に、トークセッション終了後、登壇したメンバーに改めてイベントの感想を聞くことができたので、簡単に紹介したい。

東芝の衣斐さんは、今回のイベントを企画した理由として、「他社はもっとすごいことをやっている、ということを会社に報告して、やっぱりメイカー活動は良いことだ、今後も続けるべきだと思ってもらいたい」という気持ちがあったと語った。その上で、「良い事例がいっぱい集まって」、かなりの手応えを感じることができたという。

SIEの田中さんは、他社のメイカースペースに対して「広かったり、おしゃれだったり、どんどんすごいのができていいなって思っていた」と、Creative Loungeに他社が続いている状況を歓迎し、「(メイカースペースの設置が)早いとか遅いとか関係なく、長く続けて行くことが大事だし、そのためにお互いに学び合う、真似し合うっていうのは、どんどんやるべき」と、今回のような担当者同士の交流のメリットを語った。

また、リコーの本美さんは、ソニーCreative Loungeの担当者が代替わりしているという話が「個人的に刺さった」といい、個人のモチベーションだけに頼らずに、運営を継続していける仕組み作りをして行きたいと、今後のつくる~む海老名に活かせる学びがあったと話してくれた。

最後に、デンソーの岡本さんは、「DMCがあくまで有志によるサークル」だという他の登壇者とはことなる立ち位置ながら、「ゆくゆくは新事業とか、仕事に役に立つものに、いつかはやりたい」という気持ちがあることを告白。ただし、「業務とは関係ないからこそ自由にやれる環境」としてDMCは残し、仕事で落ち込むことがあっても「(DMCで遊んで)元気になる場所」として残していきたいと、今後のビジョンを語ってくれた。