Fabrication

2009.03.16

オープンソースプロジェクト HIDaspx

HIDaspxは千秋広幸さんが中心となって開発が進められているAVRマイコン用のプログラム書き込みツール。おもな特徴は3つ。
ひとつめは、パソコンとの接続にUSBのHIDクラスを用いている点。HIDはキーボードやマウスの接続に使われる仕様で、どのパソコンも標準で対応している。つまり、HID準拠のデバイスは、ドライバをインストールしなくても使用可能。敷居が一段下がるわけだ。
ふたつめの特徴は、そのHIDクラスをATtiny2313というマイコンひとつで実装している点。

Crafts

2009.03.12

映画『Coraline』 に使われた3Dプリント技術

短いけど、すごく興味深い記事。ストップモーションによるアニメーション映画『コラライン』(Coraline)に使われた、ラピッドプロトタイピング技術に関する内容だ。Objet社のRP Polyjet技術は、カートリッジに収めたフォトポリマーレジンを噴霧して、非常に薄い16ミクロンの層を作るというもの。これは平均的な人の髪の毛の太さの1/4に相当する。レジンは液体の状態で噴霧され、紫外線を照射して層ごとに瞬間的に固められてゆく。このプロセスは比較的高速だが、込み入ったモデルになると時間がかかり過ぎることになる。

Fabrication

2009.03.02

世界最小のスポット溶接機

イタリアのサイト、Modellismo Hobby Mediaのスタッフがボクたちに電子メールで教えてくれた。Spielwarenmesse(ドイツのおもちゃショー)で、模型メーカーの ROBBEがWELMA 2000を発表した。世界最小の電気スポット溶接機ということだ。
この電気スポット溶接機は、鉄製ワイヤーの工作用として作られた。ワイヤーが交叉したところを、溶接用接点が先端に組み込まれたペンチで挟む。そしてスイッチを入れると、そこが溶接されるという仕組みだ。
溶接中は、最大で 2500mA の電流が数千分の一秒間流れる。

Electronics

2009.01.20

電磁式万能ポジショナー

業界によっては一般的な装置なのかもしれませんが、ボクは知らなかったし、ちょっと感動したので取り上げたいと思います。電磁式万能ポジショナーというかっこいい名前のこの機械は、どんな形状のものも磁力でがっちり固定します。直径0.1mm~3mmの鉄球が山盛りになっていて、固定したい物体をそこにつっこんでペダルを踏むと、電磁石の力で鉄球がガチッと固まり、一緒に固定したい物体もガチッとなる仕組み。動画を見れば一目瞭然。こっそりいろんなものをつっこんで試してみたい。

Fabrication

2009.01.19

Remake: ツールシェアリング

カリフォルニアのメンローパークにあるTechShop(会員制の貸工房、3Dプリンタ、レーザーカッター、その他の各種工作機械が自由に使える)に行ってきたという人から、そこで聞いて驚いたという話をしてくれた。当初、TechShopでは工具が持ち出されることを心配していたのだが、実際はその反対であることがわかったそうだ。このコミュニティベースのワークショップのメンバーは、自宅から工具を持ってきて、他の人も使えるようにと、置いていくのだ。そのため、TechShopにはオープン当時よりも多くの工具が揃っているという。

Electronics

2008.12.22

昔の技術説明書

[上:1946年版潜水艦操作説明書『The Fleet Type Submarine』、中:1988年版R-71ブラックバード環境制御システム説明書、下:1942年版B-17Fフライングフォートレス操縦士訓練用説明書]
現在、Make英語版 Vol.17を鋭意編集中なんだけど、”Lost Knowledge”(失われた知識)特集が含まれる予定なんだ。そこでボクは、今は失われた、もう認められていない技術や技術製品の中から面白いものを探しまわっていたところ、このWiredの写真エッセイ(紙のほうの最新号にも載ってるけど)”Classic Instruction Manuals”(取り扱い説明書の古典)に出会った。

Electronics

2008.11.04

Steve DaveeのMaker 's Notebookハッキング

ボクにとって、今回のMaker Faireで気になったもののひとつに、Steve Daveeが進めているMaker’s Notebookのハッキングがある。バイナリ目次システムと導電性ブックマークと、表紙に埋め込んだLEDで、本の中のどこにブックマークがあるかを教えてくれるというものだ。彼はさらに、太陽電池とコンデンサーとArduinoを埋め込んで、音が鳴るなどの機能を追加する計画を立てている。
彼によれば、彼にはプロジェクトを途中で断念してしまう癖があるそうだ。

Electronics

2008.10.22

道具の裏技

ボクは”Street tech”にはまっている。特に、人々が、開発者の意図とはまったく違う形で道具や技術を使っているところに魅力を感じる。また、場当たり的に生まれる技もすばらしい。その結果、ボクはいろんな人が普段やっている、ファンキーで独創的で「どうして今まで気がつかなかったんだ!」的な道具の使い方(というか乱用の仕方)から裏技を学ぶことに、ちょっとばかり中毒になっている。
ボクが裏技を愛する理由のひとつに、人生を変えるほどの巨大な力が道具や技術の裏技に秘められているという点がある。