Other

2020.08.26

ものをつくらないものづくり #2 —「ユーザー」は存在しない

本記事は、久保田晃弘さん(多摩美術大学情報デザイン学科 教授)に寄稿していただきました。

「DIY」(大文字で、ハイフンでつながれて、カッコで括られた “Do-It-Yourself”)という表現が初めて登場したのは、1912年に発行された『Suburban Life』に掲載されたホームデコレーションの記事であった[1]。『郊外生活』と名付けられたこの雑誌は、家の建て方や飾り方といった、いわゆる日曜大工のような初心者向けのコンテンツを提供することを目的とした、まさに「Make:」誌の元祖のような内容のものだった[2]。

Other

2020.08.12

ものをつくらないものづくり #1 — 『Handmade Electronic Music』から再考する「手作り」のルーツ

本記事は、久保田晃弘さん(多摩美術大学情報デザイン学科 教授)に寄稿していただきました。

今回からこの「Make: Japan」のブログで連載を始めることになった。第二回の「Make: Tokyo Meeting」を多摩美の八王子キャンパスで開催したことなど、「Make:」とのつながりも、いつの間にか長く深いものとなった。COVID-19の状況が続く今、コンピュータを通じてオンラインでミーティングをしたり、さまざまな情報を共有したり、引用することがますます多くなった。

Other

2020.06.16

Make Change:折り畳みプラカードの作り方、催涙ガスの治療法、監視カメラを混乱させる方法まで、効果的で平和的な抗議運動のための情報集

写真提供:Vlad Tchompalov on Unsplash

(日本語版編注:以下に紹介する情報の外部リンクはすべて英語記事になりますが、日本ではあまり紹介されない情報と判断して掲載することとしました。また、特に法律に関わる記述は、米国の法律がもとになっています。ご了承ください)

すべてのアメリカ人にとって、外で出て平和的な抗議活動を行うことは、米国憲法修正第1条(言論の自由、平和的集会の自由などを保証)に刻まれた侵されざる権利だ。そこで、安全で平和的で、それでいて効果的な抗議運動をメイクするための手段を紹介したい。

Electronics

2020.05.07

Maker Faireに参加することとオンラインでほぼ同じ活動ができる「Make: Project」(英語版)ついに登場!

「メイカーカルチャー」は、集団ごとにその言葉の意味合いが微妙に違います。機械工学のエンジニアは、メイカーカルチャーについて木工職人とはまったく違う考えを持っているかも知れません。だけど、ひとつだけ全員が同意できることがあります。シェアすること、つまり教え合うことが、すべてのメイカーカルチャーの基本を作っているという点です。最初から誰かと共同で何かを作っている人も、作品を仕上げてMaker Faireでみんなに披露する人も、教え合うことがメイキングの大きな部分を占めています。

Fabrication

2020.04.22

「プランC」のプロフィール:シアトルで生まれたMaker Mask

ある地方の病院がシアトルのメイカースペースに、マスクとバイザーを作れる人はいないかと尋ねてきた。彼らは少々あわてて、誰ならできるかを調べてみた。すると、機械工学の経験を持つRory Larsen(ロリ−・ラーセン)がそれに飛びつき、一夜を費やしてデザインを練り上げた。「フットボールを受け取って走り出した感じです」とロリーは私に話してくれた。「夜に最初の(3Dプリントによる)Maker Mask(メイカーマスク)を作りました」

金曜日の明け方5時か6時に、ロリーは父親に電話をして「ボクが作ったものを見てよ」と伝えた。

Other

2020.04.17

Maker Faire Kyoto 2020 Online|居心地がよく、誰もが出入りしやすいメイカーコミュニティを作るためのパネルディスカッション「メイカーの心得」 #MFKyoto2020

編集部から:Maker Faire Kyoto 2020 Online|パネルディスカッション「メイカーの心得」を5月2日(土)13:00-14:00に開催します。その背景や内容について、大網 拓真さん(FabLab SENDAI – FLAT)に寄稿していただきました。なお、本セッションには、今野恵菜さん(山口情報芸術センター[YCAM]/乙女電芸部)、久保田晃弘さん(多摩美術大学情報デザイン学科)と城一裕さん(九州大学大学院芸術工学研究院/山口情報芸術センター[YCAM])にもご登壇いただきます。

Other

2020.04.17

ニューヨークでフェイスシールドを作るAdafruitが生活に必要な事業と認定された!

一般の事業所と同じく、Adafruitも事態が深刻になり始めた時点で営業を停止した。しかしそのすぐ後、Adafruitは「必要な製造業のために欠かせないサービスおよび事業」に認定された。つまり、必要最低限のスタッフで重要な部品の出荷ができるようになったことに加え、新しい製品ラインとして地方自治体や病院のためのフェイスシールドの製造も可能になったということだ。

自宅待機命令が出されたニューヨークの街は、今どんな風だろうと気になった。フィルは、オフィスに向かうときの様子を少しだけ教えてくれた。

Science

2020.04.09

「プランC」の市民(Civic)とは、危機に怯える人々ではない。危機に対応するために結集する人々だ

メイカースペースのプランCは、危機的な医療用具不足に対処するメイカームーブメントの草の根活動の記録だ。今回はシリーズ第2弾の記事をお届けしよう。

Cは市民のC

プランCの「C」が何を指すか、今ようやくわかった。Civic(市民)だ。プランAが政府、プランBが産業界の対応だとすると、プランCは市民の活動だ。

「Foreign Affairs」誌のJaron Lanier(ジャロン・ラニアー)とE. Glen Weyl(E・グレン・ウェイル)は、その共著記事「市民テクノロジーはいかにしてパンデミックを阻止できるか」の中で、新型コロナウイルスの拡散予防に成功した台湾でのボトムアップの活動を称賛している。

Science

2020.04.02

Maker Faire Kyoto 2020 online|パネルディスカッション「COVID-19以降の世界にメイカーが貢献できること」を5月2日(土)に開催。議論に先駆けてSlackのワークスペースを公開します

画像はイタリアの3Dプリンティングの会社、WASPのオープンソース防護服(https://www.3dwasp.com/casco-di-protezione-ventilato/から引用)

編集部から:Maker Faire Kyoto 2020 online|パネルディスカッション「COVID-19以降の世界にメイカーが貢献できること」を5月2日(土)15:00-16:00に開催します。本記事はそのパネルディスカッションのイントロダクションとして、小林茂さん(情報科学芸術大学院大学[IAMAS]産業文化研究センター 教授)に寄稿していただきました。

Science

2020.04.01

手指消毒液、マスク、フェイスシールド、防護服、感染予防フックなど、COVID-19対策として今すぐ作れるものリスト

[日本語版編注:本記事のリンク先はすべてアメリカ国内向けの英語サイトですが、日本ではこれまで紹介されていないようなDIY感染防止対策も多く、参考のために紹介します。衛生基準や法律はアメリカ国内のものであることにご注意ください。日本の厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症に関するQ&A」なども合わせて確認していただきますよう、お願いいたします]

画期的な大発明をしようと思えば、貴重な時間を使ってしまう。