2020.09.23
ものをつくらないものづくり #4 — 登山家としての研究、丘歩きとしての研究、そしてメイカーの研究
本記事は、久保田晃弘さん(多摩美術大学情報デザイン学科 教授)に寄稿していただきました。
『ラインズ―線の文化史』『メイキング―人類学・考古学・芸術・建築』『ライフ・オブ・ラインズ―線の生態人類学』といった著作が、ここ数年続けて邦訳されたティム・インゴルドは、1948年英国生まれの人類学者である。「メイキング」という本のタイトルだけで、なにやらメイカームーブメントとの繋がりを感じさせてくれるが、これは本の最初のタイトル案であった「4つのA(人類学、考古学、芸術、建築)」が、いずれも「つくること」を通じて思考する方法であるところからつけられたものだ。