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2021.08.16

ものをつくらないものづくり #11 — スペキュラティヴ・デザイン(を超えるため)の原則

本記事は、久保田晃弘さん(多摩美術大学情報デザイン学科 教授)に寄稿していただきました。

『Beyond Speculative Design: Past – Present – Future』に用いられている「Fazan Copy Medium」フォント。アンソニー・ダンとフィオーナ・レイビーの『Speculative Everything』のために、Kellenberger–White(ロンドンをベースとするグラフィック・デザイン・スタジオ) がデザインしたChlotz(クロッツ)フォント (0と1の2つの数字を再構成してつくられた—例えば「S」の文字を参照のこと—ユニークなフォント)にインスパイアされた。

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2021.06.23

Maker Faireへの出展から「全自動ルービックキューブ」の記事の「Make:」英語版への執筆まで。「妄想」を「行動」へ移して起こったこと

この記事は、蕪木孝さんに寄稿していただきました。

私は「Make:」英語版 vol.77で、「全自動ルービックキューブ」の記事を書きました。メカニズム、製作過程、部品、回路、使用した道具などを解説する8ページの英文記事です。今まで英語をあまり勉強してこなかったので(TOEICは300点台だったような……)、Google翻訳を駆使して原稿を書き上げました。海外の雑誌で記事を書くようになることは想像していなかったのですが、Maker Faireをきっかけにして、想像していなかったことや妄想が実現することが、これまでに何度もありました。

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2021.06.02

ものをつくらないものづくり #10 — 要約できないもののパフォーマティヴィティ

本記事は、久保田晃弘さん(多摩美術大学情報デザイン学科 教授)に寄稿していただきました。

これは「たい焼き」ではない

2021年5月1日にオンライン開催された、Maker Faire Kyoto 2021で、「ものづくりとユーモア」というタイトルで講演を行った。その具体的な内容については、当日の様子を収めたヴィデオや、窪木淳子さんによる丁寧なレポートを、まずは参照していただければ、と思う。そこで今回の連載では、その内容を踏まえつつ、さらに当日時間の都合でお話しできなかったことも含めて、ものごとのもつ「パフォーマティヴィティ(行為遂行性)」について考えてみたい。

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2021.06.01

「Maker Faire Kyoto 2021」レポート|特別講演「ものづくりとユーモア」—— 不寛容な分断が横行しがちな現在にものづくりが持つ「ユーモア」の重要性

各地の新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴いオンラインイベントとして開催されたMaker Faire Kyoto 2021(2021年5月1日開催)では、久保田晃弘さん(多摩美術大学情報デザイン学科教授)による特別講演が配信された。この講演は、makezine.jpで好評連載中の久保田さんによる「ものをつくらないものづくり」(現在#9まで掲載)の番外編と言えるもの。講演のテーマは、「ものづくりとユーモア」である(編注:講演の動画はアーカイブされています)。

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2021.04.14

ものをつくらないものづくり #9 — 未来予測と非現実のデザイン

本記事は、久保田晃弘さん(多摩美術大学情報デザイン学科 教授)に寄稿していただきました。

Impossible Beams / Norbert JungFollow
https://www.flickr.com/photos/norbert_jung/14373890867/

この連載でもたびたび引用してきた『スペキュラティヴ・デザイン(原題は Speculative Everything: Design, Fiction, and Social Dreaming、2013年出版)』だが、この著者のアンソニー・ダンとフィオナ・レイビーの二人は、この本の出版後の2016年、2005年から10年間在籍したRCAのデザインインタラクション学科からニューヨークのニュースクール大学に移り、現在はそこで「Designed Realities Studio(デザインされた現実スタジオ)」[1]のディレクターを共同で努めている。

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2021.03.04

ものをつくらないものづくり #8 — 未来から遠く離れて

本記事は、久保田晃弘さん(多摩美術大学情報デザイン学科 教授)に寄稿していただきました。

『Close to the Edge(危機)』/ Yes
現在の世界の状況は、まさにこのアルバムのタイトル通り縁に近づいている。
(ライブのオフィシャルビデオ:https://youtu.be/BcDU-vilgic)

肯定的デザインの本を開いてみれば、ほぼ間違いなくどの本をみても、その内容は結局のところデザインへの賛辞へと導かれる。

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2021.02.04

ものをつくらないものづくり #7 — クリティカルであるとはどういうことか?

本記事は、久保田晃弘さん(多摩美術大学情報デザイン学科 教授)に寄稿していただきました。

左から二人目がマックス・ホルクハイマー、その右がテオドール・アドルノ、一番右がユルゲン・ハーバーマス。写真はWikimedia Commonsからの転載(CC BY-SA 3.0)。

前回のクリティカル・メイキング、そしてクリティカル・デザインやクリティカル・シンキングなど、最近「クリティカル」という言葉を見ることが多くなってきた。

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2021.01.08

ものをつくらないものづくり #6 — クリティカル・メイキング教育における「思いやり」

本記事は、久保田晃弘さん(多摩美術大学情報デザイン学科 教授)に寄稿していただきました。

アメリカ、ボストンの南西約70kmに位置する、ロードアイランド州の州都プロビデンス。かつては、繊維産業や工芸で有名であり、アメリカで最初に工業化された都市のひとつであったこの都市に、RISD(リズディ:ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン)という美術大学がある。

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2020.11.18

「Maker Faire Tokyo 2020」レポート #7 — いつだってものを作ってきたメイカーが語り合うパネルディスカッション「メイカーに生まれて」

Maker Faire Tokyo 2020のステージプログラムでは、10月3日・4日の両日ともに7本ずつのパネルディスカッションとプレゼンテーションが組まれた。初日の最初のステージは、「メイカーに生まれて」と題したパネルディスカッション(YouTube Liveでも配信)。

登壇者は、今江望さん(今江科学)、原田直樹さん(denha’s channel)、北村満さん(ヒゲキタ)。

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2020.11.16

ものをつくらないものづくり #5 — 大学のスペキュラティヴ・デザイン

本記事は、久保田晃弘さん(多摩美術大学情報デザイン学科 教授)に寄稿していただきました。

先日のMaker Faire Tokyo 2020でも、ベネッセとの共同でSchool Maker Faireが行われていたように、ものづくりと教育はさまざまな観点で結びついている。さらに今年度は、COVID-19の状況で遠隔授業(というよりも分散授業)が不可避になり、小学校から高等教育まで、さまざまな観点から、教育そのものに対する問い直しも始まった。